UPDATE 政府がどのウェブサイトをアクセス禁止にしているのかを国民に隠しておくことが、今後は難しくなるだろう。検閲されていることを警告する新しいエラーコードが登場するためだ。
インターネットでは、100番台から500番台までの幅広いステータスコードが利用されている。これらのステータスコードは、サーバのダウンなどの異変が生じたことを知らせるためや、特定のページにアクセスさせないようにするために利用される。皆さんも、ページを見つけられなかったことを知らせる404エラーメッセージをおそらく何度か目にしたことがあるだろう。
しかし、ウェブページのダウンが技術的な問題のためなのか、政府の介入のためなのかを見分けるのは普通、容易ではない。そこで新しい451コードの登場となる。
インターネット技術の標準化組織Internet Engineering Steering Group(IESG)は米国時間12月18日、技術的な理由で表示されないウェブページと、検閲など他の理由でアクセスできないウェブページを区別する新しいHTTPステータスコードを承認した。
インターネットは長い間検閲の対象となっている。欧州の政府は、海賊版コンテンツにリンクするウェブサイトへのアクセスを禁じるようインターネットサービスプロバイダに強制している。中国はいわゆる「万里のファイアウォール」でウェブの閲覧に厳しい制限を設けている。ロシアや韓国などの国々はアクセスに対する取り締まりが厳しいことで知られている。
IETFのHTTPワーキンググループの責任者Mark Nottingham氏は、ブログ記事の中で、既存の403ステータスコードは「Forbidden」(閲覧禁止)を意味するが、これは法的な理由でコンテンツの閲覧が禁止されているかどうかを示すものではないと述べている。
しかし、新しいステータスコードである451(この数字は、書物が厳しく禁じられた未来社会を描いたRay Bradburyの古典的SF小説「華氏451度」に敬意を表したもの)は、検閲のためにウェブページが閲覧できないことを示すために利用できる。
「ウェブの世界で検閲がますます目に見えて広がる中で、サイト運営者たちから両者の区別ができるようにしたいと言う声が聞かれるようになった」とNottingham氏は述べている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」