Obama政権は米国時間1月14日、「Stop Online Piracy Act(SOPA)」と懸案になっているそのほかの著作権侵害防止法案について声明を発表した。同政権はその中で、オンラインでの著作権侵害に対処する法律の必要性を認識しているが、検閲やサイバーセキュリティ問題、革新の抑圧などにつながるおそれのある法案について懸念を抱いていると述べた。
3人の高官が執筆した同声明には、「われわれは外国のウェブサイトによるオンラインでの著作権侵害について、法制面から真剣に対処すべき深刻な問題だと認識しているが、表現の自由の制限やサイバーセキュリティリスクの増大、および動的で革新的なグローバルインターネットの衰退につながる法案を支持するつもりはない」と書かれている。
SOPAの最も熱心な支持者の1人であるLamar Smith委員長(テキサス州選出、共和党)は13日、インターネットプロバイダーに対して著作権侵害が疑われる海外ウェブサイトへのアクセスのブロックを義務づける条項を削除する予定だと述べた。Patrick Leahy上院議員(バーモント州選出、民主党)は12日、上院でSOPAの姉妹法案であるProtect IP ActからすべてのDNS要件を削除すると発表した。
ホワイトハウスの声明は、市民の声を政府に届ける、Obama政権のオンラインサイト「We the People」経由で広まっている2つの請願書(「Stop the E-PARASITE Act(E-PARASITE Actを阻止せよ)」と「VETO the SOPA bill and any other future bills that threaten to diminish the free flow of information(情報の流れを縮小させるおそれのあるSOPAおよび将来の法案を否認せよ)」)に対する返答だ。
We the Peopleを利用すると、誰でも請願書を作成して流通させ、政権による行動を促すことができる。現在、30日以内に2万5000以上の署名を得た請願書はホワイトハウスからの正式な返答を得ることができる。
SOPAに関連する返答を執筆したのは、米行政管理予算局(OMB)の知的財産執行調整官であるVictoria Espinel氏と、米最高技術責任者(CTO)兼大統領補佐官で米科学技術政策局の技術担当アソシエイトディレクターでもあるAneesh Chopra氏、大統領特別補佐官で国家安全保障スタッフのサイバーセキュリティ調整官でもあるHoward Schmidt氏だ。
同声明は、Obama政権が支持することと支持しないことを明確に述べただけでなく、向こう1年で「健全な」著作権侵害防止法を制定することを求め、著作権侵害防止法案の反対者には代替案を提案することを要求している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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