これが「NoPhone」に対する評価だ。その名前が示唆するように、NoPhoneはカメラもスクリーンも音楽再生機能もない。そしてお察しの通り、通話機能も持たない(ただし、便器に落としても大丈夫だ)。
成功を収めた「Kickstarter」キャンペーンの製品であるNoPhoneは、3種類のモデルが用意されている。何の機能も持たない5ドルの「NoPhone Zero」(公式ウェブサイトによると、「人類がこれまでに作った最も後進的な電話」としても知られているという)、10ドルのNoPhone(見せかけだけのボタンとポートを備える)、15ドルの「NoPhone Selfie」(接着剤でくっつけられた鏡を備える)の3モデルだ。1975年のホリデーシーズンに発売された「Pet Rock」と同様、NoPhoneの3モデルはどれも何の機能も持たないことが保証されている。
Van Gould氏は自身の個人ウェブサイトで、「NoPhoneは、みんなが一番好きなガジェットの重さと寸法を正確に再現している。本物のスマートフォンがないときに感じる物足りなさを軽減する」と述べている。Gould氏は、これらの「端末」と同じ名前を冠したNoPhoneという企業の共同創設者だ。
Gould氏によると、NoPhoneのこれまでの販売台数は4000台以上だという。同氏はニューヨークの広告代理店でアートディレクターも務めている。理由は不明だが、Gould氏はインド洋のマダガスカル島東方にあるレユニオン島から大量の注文を受けたという。「場所の存在さえ知らなかった」と同氏は筆者に話してくれた。
NoPhoneは2014年にKickstarterキャンペーンとして開始され、1万8000ドル以上を調達した。
何はともあれ、NoPhoneは、人間が携帯電話を片時も手放せなくなっているようだという事実を示している。皆さんもレストランに行けば、母親、父親、子供といった家族全員が携帯電話を眺めているといった状況を目の当たりにするだろう。
「(NoPhoneは)ジョークだ」とGould氏は述べる。「だけど、このジョークの裏には真実が隠れている」(Gould氏)
NoPhoneは、こんなにも役に立たない製品でありながら、携帯電話を休ませるよう我々に気付かせることで多くのことを成し遂げる。Gould氏自身も週に1回、ガールフレンドとのデートに出かける夜はスマートフォンの代わりにNoPhoneを持ち歩くそうだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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