(編集部注:米CNETによる新型「Apple TV」のレビューを3回に分けて翻訳して公開します。次回以降は後日の公開を予定しています。第2回は11月2日に、最終回は12月4日に公開されています )
告白しなければならないことがある。筆者は「Android」のファンだ。
筆者はこれまでずっとサムスンのスマートフォンや「Windows」コンピュータを所有してきた。家族には、「Amazon Fire」タブレットを買うよう勧めている。筆者は大学時代に「Mac」を購入したが、学生ローンプログラムの一部として、そのMacに大金を支払う羽目になり、それ以来、Macを買うことはなかった。仕事用ノートブックは「MacBook」(最近乗り換えた)だが、筆者がこの15年間に自分のお金で買ったApple製品は、妻に贈った「iPad」だけだ。今、そのiPadは主に車の運転中に子供たちを楽しませておくのに使われている。
しかし、筆者の知る最も頭脳明晰な人々の中には、Apple製品に絶大な信頼を置く人が複数いる。そして、この数日、新しい「Apple TV」を試してみて、筆者にもその理由が分かった。筆者はここ数年、無数のスマートテレビシステムや多数のゲーム機はもちろんのこと、RokuやAmazon、Googleがこれまでに発表したほぼすべてのボックスとスティック端末をテストしてきた。それらはすべてNetflixやHulu、YouTubeといったサービスの動画をテレビにストリーミングする機能を備えるが、新しいApple TVほど使用感が快適な機種は1つもない。
リモコンは、筆者がこれまでに使ったものの中で間違いなく一番だ。反応が優れた親指サイズのタッチパッドを備えており、メニューやテレビ番組のサムネイルのリスト、動画自体を素早く操作できる。従来のカーソルベースの操作より圧倒的に優れている。音声検索(Appleファンの皆さんはなんとなくそれを「Siri」と呼んでいるようだが)も非常に効果的に機能し、視聴するコンテンツの検索以外にも多くのことを実行できる。
新型Apple TVは完璧ではない。競合するほかの端末より高価だ。このことは、筆者が昔からApple製品に対して感じている最大の不満点である。新型Apple TVでは、多くのゲームをプレイできるが、元々スマートフォンやタブレット向けに設計されたタイトルは、大画面では必ずしも魅力的ではない。そして、ほとんどのタイトルはサードパーティー製のゲームコントローラを使った方が操作しやすい。それから、Apple TVのリモコンの出来が良すぎるので、ほかのリモコンのように引き出しにしまい込むのではなく、「Harmony」ユニバーサルリモコンに加えて常に手元に置いておかなければならないのが、うっとうしく感じられる。
ただし、筆者にとって最大の問題は、「Amazon Video」(筆者がNetflixの次に好きなストリーミングビデオサービス)の本物のアプリがないことだ。AmazonかApple、またはストリーミングの神様たちの誰を責めればいいのかは分からないが、これは理解に苦しむことである。「iPhone」と「iPad」向けにAmazonアプリが提供されていることを考えると、なおさらだ。Amazonが先頃、同社ストアでApple TVと「Chromecast」の販売を禁止する決定を下したことを考えると、近いうちにApple TV向けにAmazonアプリが提供される可能性は低いと思われる。
既に多くのテレビ番組や映画、ゲームをApple端末上で所有しているAppleファンにとっては、新型Apple TVは絶対に購入する価値のある製品だ。しかし、筆者のような人間に売り込むのは難しいだろう。総合的にみると、筆者はRokuの方が好みである。価格比較が可能な検索機能、Amazonや「Sling TV」「Spotify」を含む幅広いアプリセレクションを備えるほか、ハードウェアの価格もApple TVより安いからだ。
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