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「EC売上アップ」のコツ

“栓抜き”をヒットさせた「Bottle Breacher」に見る、単純な商品の売り方

尼口友厚(ネットコンシェルジェ CEO)2015年11月17日 08時00分
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 単純な商品であっても、その商品の価値を掘り起こすことで“爆売れ”させられる――今回紹介するのは、そんなシンプルな気づきをあらためて教えてくれるサイト「Bottle Breacher」だ。


「Bottle Breacher」

 同サイトで販売しているのは「栓抜き」。といっても、ただの栓抜きではなく、銃弾を栓抜きに加工したものだ。父の日や結婚式向けのギフトとして売り出し、商品へのニーズを掘り起こして結婚式用ギフトの市場を開拓している。

 銃弾の栓抜き、それが父の日や結婚式のギフトに使われていると言われると、ちょっとピンと来ないが、同サイトはこれらの要素をどのように取りまとめ、「買いたい」と思わせる要素としているのだろうか。ハンドメイド製品のマーケットプレイス「Etsy」で3000以上の顧客レビューを獲得し、Shark Tankにも出演した実績を持つ同サイトのブランディングの経緯を見てみよう。

銃弾型の栓抜きを元軍人たちが手掛ける

 Bottle Breacherの創業者はイライジャー・クレーン氏とジェーン・クレーン氏夫妻。イライジャー氏はもとは米軍の特殊部隊ネイビー・シールズの一員として働いていた軍人で、イラクに数度派遣された経験もあり、もっと家族と過ごす時間を持ちたい、と考えていた。

 そんなイライジャー氏も2012年に、派遣先から米国に帰国することになった。このとき、彼の兄弟が帰国祝いのプレゼントとして、銃弾の形をした栓抜きをくれた。この製品を気に入ったイライジャー氏は自分でも作ってみたいとレーザー彫刻機を購入し、自宅のガレージで自作しはじめた。

 やがて、このうわさを聞きつけたネイビー・シールズのかつての仲間たちが購入し、最初の顧客となってくれた。「ひょっとするとこれは大きなビジネスになるのでは」と思いはじめた同氏は、アリゾナ大学でビジネスを専攻し、Etsyでオンライン販売をしていた妻のジェーン氏に相談。彼女にEtsyで販売してもらうと、これがミリタリー関連のコミュニティで人気となり、大きな売り上げを得た。

 その後、イライジャー氏らはこのビジネスのカラーをより鮮明にしていく。精神的、肉体的に傷つきながらも国や米国人のために貢献してくれた軍人たちに恩返しができるようなビジネスをしたい、とかねてより考えていたことから、軍人に恩返しできる非営利団体に支援したほか、自分たちでも現役軍人、予備兵、退役軍人らを積極雇用し、彼らに「50Caliber」というライフルの銃弾を栓抜きに仕立ててもらうことにしたのだ。


 また、より親しまれる製品にするため、名前を刻印するサービスをし、父の日や結婚式関連のギフトに使ってもらうコンセプトを打ち出した。結婚式関連サイトに掲載してもらうよう働きかけたりもしたようだ。

 “50 Caliber bottle openersは現役軍人や退役軍人の手によって加工されました。私たちは国を守る為に使われていた銃弾を、男性やグルームマン向けのギフト、会社のプロモーション用の製品として再利用しています”(サイトの説明より)。

 その結果、もう使わなくなった銃弾から作られた栓抜きという男性好みの特性も相まって、おすすめのスタイリッシュな男性用のギフトとして取り上げられるようになっていった。

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