しかし、改めて言うと、Nexusスマートフォンを購入すべき理由は、OSに組み込まれた多くの新しいソフトウェア機能を手に入れるためではない。大事なのは、純粋で余分なものがなく、ソフトウェアに邪魔されることのない体験を享受できることだ。Nexus 5Xで、Marshmallowはそれを提供している。
「最高のカメラは、今自分が持っているカメラだ」と言われるが、Nexusスマートフォンに関して言えば、その言葉はいつもこじつけのように感じられた。これまでのNexusスマートフォンの大半は、普通の「iPhone」に比べてかなり性能の劣るカメラを搭載しており、特に明るさの条件が難しい場合に撮影画質が劣っていた。
2015年、Googleはこの問題に対処することを決意した。新しいNexus 5Xは、そのいまいちの評判を覆すため、真新しい12.3メガピクセルカメラを採用している。このカメラには、比較的大きな1.55ミクロンピクセル(ピクセルサイズが大きいほど、取り込める光の量が増える)のソニー製「IMX377」センサと、瞬時に被写体に焦点を合わせるレーザーオートフォーカスシステムが搭載されている。
確かに、このカメラはスマートフォンとしては非常に素晴らしい画質の写真を撮影できる。筆者は理想的とは言えない照明環境で、明るく見える写真を何枚か撮影したが、写真全体の鮮明さに概ね大きな感銘を受けた。
実際に、筆者なら、同スマートフォンに最も近いライバルの「Moto X Pure」や「OnePlus 2」よりNexus 5Xのカメラを選ぶと断言してもいいくらいだ。筆者が全く同じ条件下で各スマートフォンを使って撮影したところ、Moto X PureやOnePlus 2のカメラで撮影した写真は、中心部がNexus 5Xよりも細かくとらえられていたが、端に近い被写体が少しぼやけて見えた。暗所で撮影した写真でも、Nexus 5Xよりノイズが多かった。Moto XやOnePlus 2で撮影した写真の方が、拡大したときに、色の付いた小さな斑点が目立った。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)