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「EC売上アップ」のコツ

顧客はメリーランド州出身者だけ--「地元愛」で小さなブームを起こしたECサイト

尼口友厚(ネットコンシェルジェ CEO)2015年10月27日 08時00分
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 「Route One Apparel」は米国メリーランドを拠点とするブランドだ。スカーフや海パン、ビキニ、蝶ネクタイ、サングラス、カバンなどを販売している。

 次の画像を見てもらえれば、商品に共通する特徴はすぐに分かってもらえるだろう。すべての商品に独特のデザインパターンが施されている。これはメリーランド州出身者ならピンとくるもののようだ。


Route One Apparelのアイテム[出典:Route One Apparel]

 これらの製品の多くが黄色、黒、白、赤で構成された独特のデザインパターンをもっている。実はこれ、メリーランド州旗がデザインのベースになっているのだ。


メリーランド州旗[出典:ウィキペディア「メリーランド州」]

 「州旗をデザインに使って、どれだけ人々の地元愛に訴えかけられるのだろうか?」とも思うが、このアプローチがウケて、今ではちょっとしたブームにまでなっているらしい。どのようにしてこのサイトが生まれ、成長していったのか、Route One Apparelのストーリーを追ってみよう。

馴染みのバーの閉店記念Tシャツを作ったことが起業のきっかけ

 Route One Apparelの創業者は、メリーランド大学でファイナンスやサプライチェーンなどを学んでいたアレクサンドラ・ボン・パリス氏。同氏は在学中に、大学付近にある地元で名の知れたバー「Thirsty Turtle」で働いていたが、同店がリキュールを取り扱うライセンスを政府に取り上げられてしまい、店を辞めざるを得なくなってしまった。

 Thirsty Turtleが閉まることを残念に思ったパリス氏は、バーを記憶に残すため、店のロゴの亀のキャラクターをあしらったTシャツを作成。従業員たちに向けて販売していた。するとこのシャツが評判となって、学生など従業員以外の人たちから「Tシャツを購入できるか」とたずねられるようになった。

 「このシャツはビジネスになるのではないか」と考えたパリス氏は、オンライン販売について学習し、FacebookでTシャツを販売してみた。すると、Tシャツのクチコミをしてくれる学生をコミッション制で雇い、営業部隊を結成するという試みも功を奏し、計5000もの注文を一気に受けるようになったという。

 この経験から、対象となる人々にとって「記憶に残したいイベント」を見つけて商品を作り販売することの強みに気づいたパリス氏は、学生がほしがりそうなTシャツをイベントごとに作成し、販売するようになった。たとえば、サッカーが盛り上がるときにはそれにちなんだデザインを考案してTシャツを作成、工場に発注してコミッション制で営業部隊に販売してもらうといった手法を採っていたという。

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