Facebookは、世界をインターネットで結びつける「Internet.org」という野心的なプロジェクトに続き、教室での学習体験を改善するための新しいプロジェクトに乗り出している。
Facebookのエンジニアリングチームは米国時間9月3日、Summit Public Schools(SPS)と共同で進めているプロジェクトについて明らかにした。SPSはシリコンバレーに本拠を置く非営利団体で、カリフォルニア州とワシントン州にある10校余りのK-12(幼稚園から高校まで)の学校を運営している。
Facebookの最高製品責任者(CPO)を務めるChris Cox氏はブログ記事の中で、少人数の技術者で構成されたFacebookのチームがSPSの「Personalized Learning Plan」(PLP)ソフトウェアを改良し、長期的な目標の設定のほか、視覚化ツールやその目標を達成するためのステップについて説明している。
こうしたやり方がなぜそれほど効果的なのかを調べたところ、教師と学校の文化に多くの要因があるだけでなく、テクノロジの力によるところも大きいことがわかった。第一に、毎日の学習を大きな目標の中に位置付けることで、学習を生き生きとしたものにする力が、テクノロジ自体に備わっている。そして第二に、テクノロジのおかげで授業時間に余裕が生まれるため、教師は最も得意とする仕事(すなわち、児童や生徒を直接指導すること)に集中できるようになり、児童や生徒は授業中に協力し合ったり、場合によっては互いに教え合ったりすることができるのだ。
Mark Zuckerberg氏もFacebookへの投稿で、このプラットフォームを「パーソナライズされた学習」の実例として支持している。
「この提携は、教育者と技術者が力を合わせれば、それ以外の方法では考えられないほど多くの可能性を引き出せることを示す例だ」とZuckerberg氏は記している。
なお、Cox氏によれば、PLPにアクセスするのにFacebookアカウントは必要なく、このシステムは「厳格にプライバシーが管理され、児童や生徒のデータを保護している」という。
すでに2014年の時点で、2000人を超える児童や生徒と100人を超える教師が、Facebookによって改善されたPLPを利用したという。新しい学年度が始まるにあたり、FacebookはSPSと連携しながら、小規模な試験プログラムを通じてより多くの公立学校が参加できるようにする計画だ。
一方、Dropboxは3日、Jason Katcher氏を新しい学校教育担当責任者として迎え入れたことを明らかにした。
Dropboxのニューヨークオフィスに配属されたKatcher氏は、これまでGoogleに10年ほど在籍し、「Google Apps for Education」や「Chromebook」のアメリカ地域責任者を務めていた人物だ。
Katcher氏が担当する新しいクライアントは、すでに決まっている。Dropboxが同じ日、アリゾナ州立大学(ASU)と新たな契約を結んだことを大々的に発表したからだ。また、マサチューセッツ工科大学(MIT)など複数の大学も、ファイル共有のためにDropboxをすでに導入している。
さらに、Google for Educationも2日、「Google Apps」で多くの新機能の追加やアップグレードを実施したことを明らかにした。これにより、誰もがクラウドベースのプラットフォームを使って簡単に共同学習ができるようになるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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