「不適切投稿」「情報漏えい」に不安--ソーシャルリテラシー対策調査

 ガイアックスの子会社であるアディッシュは8月25日、「2015年度ネットの書き込み炎上・風評被害対策の実態調査」の結果を発表した。調査対象は、業界や企業規模、担当部署を問わず企業に属する人で、有効回答数100。調査期間は、2015年3~5月。

 「実施しているソーシャルリスク対策の種類」をみると、全体の半数以上の51%の企業が「ソーシャルメディアポリシー・ガイドライン」を制定しており、全体的にソーシャルリスクに対する社内体制の整備が進んでいることがわかる。

 「業種別ソーシャルメディアポリシー・ガイドライン策定状況」は、特に小売・飲食業界の70%の企業でガイドラインの制定が進んでおり、整備率が他業界と比較して高い。



 一方で、「ソーシャルリスク対応向けマニュアル作成」を実施している企業は、全体の19%で、自社に起こりうるリスクへの対応法をマニュアル化するなど、具体策への取り組みはまだ進んでいないといえる。しかし、小売・飲食業界においては、全業界の平均率の約2倍となる40%がマニュアル作成を実施しており、ソーシャルリスク対策への意識の高さが明らかになった。

 「自社に関する書き込みをチェック実施状況(全業界)」では、自社名や自社商品・サービス名をインターネットで検索し、その評判を見ている企業は、53%と半数を上回った。


 業界別で見ると、「製造業(食品系)」が89%と最も高く、続いて「その他消費者向けサービス」、「金融・監査法人・コンサルティング」が71%だった。「小売・飲食業」も70%と高く、全体的に消費者向けサービス、とりわけ食に関する企業の書き込みチェック率が高い。


 リスクとなりうる書き込みを発見した際の対応について、「投稿が1件のみであれば特に何もしない」という企業はわずか6%。その他94%の企業は「何かしらの対応をする」と回答しており、リスクとなりうる書き込みに対し、何かしらのアクションを起こす企業が大多数を占めている。


 リスクとなりうる書き込みを見つけた場合の対応策として、最も多かったのが「社内の該当部署に情報を共有する」で、全体の84%という結果となっている。

 業界別の特徴としては、小売・飲食業界では「静観後、同様の投稿の有無を確認する」、「お問い合わせセンターに同様のクレームがある場合、商品・サービスの改善を検討する」と答えた企業がともに70%と、全業界の平均値の倍近く高く突出している。小売・飲食業界では、利用者の声をチェックしながら商品・サービス改善に生かす取り組みを積極的に行っており、利用者の声を大切にしている姿勢がうかがえる。


 

 「懸念しているソーシャルリスク(複数回答)」に関しては、業界全体では「内部関係者による不適切投稿」と「情報漏えい」が68%という結果になった。従業員のソーシャルメディアへの不適切な画像投稿やインターネット上への個人情報流出などは、メディアでもよく取り上げられるソーシャルリスクであり、多くの企業が不安を抱いていていることがあらためて分かる結果となった。

 注目すべき点は、食品に関する業界が懸念するソーシャルリスクだ。食品製造業において「異物混入を含む、商品・サービスの不具合」への懸念が100%、小売・飲食業でも80%と非常に高い。食品への異物混入は注目されやすく、インターネットでの拡散もされやすいため、企業の危機感の高さがうかがえる。

 また、食品製造業は「お客様からのご指摘・クレーム」への懸念も100%という結果が出ており、利用者の声に対して非常に敏感であることがあらためてわかった。


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