2014年12月にはネイティブアプリを利用するユーザーの動きを分析できるツール「USERDIVE for Apps」の提供を開始した。ウェブサイト向けのUSERDIVEと同様に、タップやスクロール、コンテンツ閲覧時間、アプリ内の導線などをヒートマップや動画によって分析できる。小畑氏によれば、ネイティブアプリ内の分析ツールは日本国内でも初だという。企業は、アプリにSDK(ソフトウェア開発キット)を導入するだけで利用できる。
アプリならではの機能も用意されている。「動線分析」機能を使えば、ユーザーがどのような経路でアプリ内を遷移したのか、また離脱したのかを“木の根”のようなグラフによって視覚的に確認できる。コンバージョンのゴールからスタート方向への“逆引き動線分析”ができ、問題のあるページを見つけたらヒートマップで確認できる。
また、7月には新機能「ロケーションヒートマップ」も実装した。スマートフォンのGPSを利用し、個人を特定しない範囲でユーザーがいつ、どこでアプリを起動したり、閲覧したのかを地図上のヒートマップで確認できる。この機能を活用すれば、アプリユーザーの生活エリアや、どの路線沿いで行動しているかが把握できるため、適切なクーポンを配布するといったO2O施策や、交通広告の出稿先のエリア選定などに役立てられる。
2013年に提供を開始したUSERDIVEは、JALや花王、テレビ東京、リクルート、ガリバー、ベネッセ、ドワンゴ、インテリジェンス、カカクコム、ニフティなど、大手企業を中心に約2年で230サイトに採用されており、CVR(コンバージョンレート)が200%以上改善した企業もあるそうだ。
同社では、あえて業界のトップ10の企業のみを顧客先として開拓しているという。「各業界のトップ企業がUSERDIVEを使って成功すれば、自ずとその他の企業もヒートマップなどを駆使しながらサイトを改善していく。それが世界中に広がっていけば、ものすごいスピードで世の中のサイトは便利になっていく」(小畑氏)。
コンサルティングも含めた高品質なサービスを提供するため、USERDIVEの料金は、分析ツールが月額50万円、コンサルティングが月額50~100万円と、競合他社と比べると高額に設定されているが、その改善効果が評価され顧客は増え続けているという。ただし、同社は現在20名ほどの少数精鋭のため「高度な人材の確保が急務になっている」(小畑氏)とのこと。
今後も、Kaizen Platformを始めとするさまざまなパートナーとのアライアンスを強化し、ワンストップでサービスを提供できる体制を構築したいと小畑氏は意気込む。「インターネットをよりスピーディに便利に急変させていきたい。そのための手段があるなら、何でもやっていきたい」(小畑氏)。
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