WWDCは、消費者が目にしたり使ったりできるソフトウェアやサービスだけのためのものではない。開発者向けツールや「Swift」のアップデートなど、その内部に関係する取り組みについても発表があると思われる。Swiftは、Appleが2014年のWWDCで公開したプログラミング言語だ。
Appleは、Swiftによって、より簡単に早く、信頼性の高いコードがアプリ向けに書かれるようになるだけでなく、より良い体験が生み出されるようになることを期待している。これは、開発者にとって至高の言語になることを基本的に約束したようなものである。
Swiftに関する発表は専門的で追いつけないかもしれないが、開発者が聞きたがっているのはこういう話だ。結局のところ、WWDCは彼らのためにあるのだから。
Apple Payは、Appleのモバイル決済サービスだ。同サービスについては、リワードプログラムの予定など、なんらかの新しい発表がWWDCでなされるかもしれない。Apple Payは、Appleが10月に投入して以来、急速に成長している。しかし、同社は現在、5月に詳細が明かされたGoogleの「Android Pay」やサムスンのモバイル決済サービス「Samsung Pay」といった製品とのより激しい競争に直面している。
また、HomeKitに対するアップデートもWWDCで発表されるかもしれない。AppleはHomeKitを2014年のWWDCで発表したものの、その後多くを語っていない。HomeKitによって開発者は、ドアの施錠や照明の調整などを可能にするホームオートメーション用ガジェットや機能をiPhoneおよびiPad用iOSアプリと統合することができるようになる。ユーザーにとっては、ネット接続されたさまざまなデバイスの制御を異なるアプリを駆使しながらではなく、単一のアプリ(Appleのデジタル音声アシスタント「Siri」を使う場合も考えられる)で実行可能になることを意味する。
Appleは、HomeKitに関する最初のパートナーとして数社と契約を結んでおり、それにはサーモスタットメーカーHoneywellやスマートロックメーカーAugustが含まれている。HomeKitが遅れるのではという話もあったが、Appleはそのような報道を否定し、一部パートナーが6月に入って製品を発表している。照明機器のLutronは先ごろ、「Caseta Wireless Lighting Starter Kit」によって、HomeKit互換ハードウェアを投入した企業の1社となった。WWDCでは、より多くのパートナーの発表や、HomeKitの新たな利用法について聞くことができるかもしれない。
新しいApple TVとストリーミングサービスは長い間待たれてきたが、WWDCでの登場はなさそうだ。代わりに、Appleが完全な製品を提供するのに必要な契約をコンテンツパートナーと締結できれば、2015年後半から2016年にかけて発表される可能性がある。これは、その種の話だ。
Appleが8日に発表する可能性があるのは、Apple TV向けアプリの開発を可能にするソフトウェアだ。しかし、このようなマイナーアップデートですら、登場は2015年後半になるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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