しかし、Opera Mediaworksの5月の報告書によると、2015年に入って、Androidがモバイル広告売上高で初めてiOSを抜いたという。2015年第1四半期を対象とする同報告書の数字を見ると、世界中のモバイルデバイスに表示された広告から発生したすべての売上高のうち、Androidが45.8%を占め、1ポイント未満という僅差でiOSを上回ったことが分かる。さらに2014年4月以降、Androidはモバイル広告トラフィックでもiOSを上回っており、Android端末の増加が浮き彫りになっている。
Forrester Researchによると、開発者チームの約半分がiOSをサポートする一方で、62%の開発者がAndroidスマートフォンをサポートし、36%が「Windows Phone」アプリを開発しているという。
ForresterのアナリストであるFrank Gillett氏は、「AppleはWWDCから生まれる勢いとソートリーダーシップを維持する必要がある」と述べた。Googleは脅威となるが、Androidは最新バージョンの普及の遅さや断片化に今も苦しんでいる、とGillett氏は指摘する(Googleが5月に年次開発者会議Google I/Oで発表したところによると、Android端末を製造する企業は400社以上、同OSをサポートする通信キャリアは500社、世界で販売されているAndroid端末は4000種類だという)。
AppleはWWDC開催前のコメントを控えた。
以下では、米国太平洋時間6月8日午前10時に始まる基調講演で、Appleが発表する内容を予想する。
AppleのモバイルOSは毎年刷新され、同社の最新スマートフォンの発売時(通常は秋)にリリースされるが、WWDCはiOSの先行公開の場となっている。Appleのデザインを統括するJony Ive氏は、2013年の「iOS 7」からiOSのデザインを担当するようになった。Appleが2014年のWWDCで披露し、9月17日にリリースした「iOS 8」では、「iCloud」の改善やサードパーティーアプリの通知機能といった待望の機能が追加された。しかし、バグやその他の問題に悩まされたOSでもあった。
2015年のアップデートに抜本的な変更点はない見通しだが、Appleがこの数年間で取り組んでいるものに、さらに磨きがかかるはずだ。つまり、モバイルやコンピュータなど、自社の各種デバイスを連携させて、ユーザーがあらゆることをもっと簡単に実行できるようにするという取り組みである。
iOS 9には、Appleの「Force Touch」機能のサポートが追加される可能性もある。これは、スクリーンを押したときに、スクリーンが反応する感覚やクリックの感覚を再現する機能だ。この錯覚は、微少な振動を発生させる小型モーターによって生み出される。
他に機能向上の可能性があるのは、iOSのキーボードと、デジタル音声アシスタント「Siri」だ。
Googleは5月、「Google Now」の新機能「Now on Tap」を披露した。Now on Tapはユーザーがやりたいことを予測する機能で、例えば、ルート上にあるガソリンスタンドやレンタカー店の位置情報を、ユーザーが尋ねる前に表示する。Appleはそれに対抗して、関連する情報をカレンダーや連絡先などのアプリから提示しようとする独自機能を発表すると予想されている。
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