(編集部注:米CNETによるサムスン「Galaxy S6」のレビューを複数回に分けて翻訳して公開します。続編は後日公開予定です)
「Galaxy S6」は生まれ変わったサムスンだ。
旧「GALAXY S」シリーズの全モデルに採用されてきた実利重視のプラスチックボディは廃止された。もう目にすることはないだろう。その代わりに、サムスンはGalaxy S6の両面をガラスで覆い、それをアルミニウム合金のフレームで囲んだ。さらに、両側面を覆う曲面スクリーンを採用したモデル「Galaxy S6 edge」も発表している。両フラッグシップスマートフォンは4月10日より世界中で販売が開始される予定だ。
Galaxy S6は「GALAXY S5」のDNAの多くを捨て去っている。素材の変更以上に衝撃的なのは、バッテリを着脱不可能にし、microSDカードスロットを廃止した決断だろう。いずれの決定も、本体の薄さを維持するために下された。スマートフォン業界では、これら2つの機能が省かれるのはよくあることだが、サムスンは取り外し可能なバッテリと追加ストレージのオプションの両方をこれまで粘り強く支持してきた。それは違いを生む動きでもあり、少なくとも電力面には影響がある。Galaxy S6が1回の充電で持続する時間は、2014年モデルのGALAXY S5より短い。
多くの点において、サムスンの選択肢は、このスリムな金属製筐体と、無駄をそぎ落とし「肥大化」を抑えたバージョンの「Android 5.0 Lollipop」を採用する以外になかった。これらの動きは、GALAXY S5(と「GALAXY S4」「GALAXY S3」)のいかにもプラスチック製という感じの作りに対する顧客の不満を鎮めるとともに、「iPhone」の巨額の利益や、Lenovo、Xiaomi、Huaweiが大量に投入しているそれなりに良質で低価格の競合製品への対抗手段となる。
サムスンにとって幸いなことに、Galaxy S6には離れていったファンを取り戻せるだけの魅力がある。また、全金属製の「HTC One M9」を、追加機能、バッテリ持続時間、カメラ品質において上回っている。
その上、サムスンのS6はAppleのモバイル決済分野への取り組みに「Samsung Pay」で追随しており、堅実な自社製プロセッサ「Exynos」を採用するという賭けに出ている(一方、競合のハイエンドAndroidスマートフォンの大半はQualcommの「Snapdragon 810」を搭載)。S6はワイヤレス充電機能をサポートするほか、新バージョンの「Gear VR」仮想現実アクセサリとの互換性もある。この2つは、どのiPhoneにもない機能だ。
Galaxy S6の見た目やスペックは、低迷するサムスンのスマートフォン販売を好転させるほどの魅力を持っているだろうか。それに関して疑いの余地はない。サムスンは強みであるカメラをさらに向上させつつ、競合のAndroid製品にはない興味深い追加機能も提供し続けている。唯一の現実的なリスクは、microSDカードと取り外し可能なバッテリを長年愛用してきたユーザーが、それらを提供するベンダーを見つけるという形でサムスンに罰を与えるのではないか、ということだ。サムスンのハードウェアは長きにわたってiPhoneに対抗してきたが、今回ようやく、物理的なデザインでもiPhoneに立ち向かえるようになった。
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