「Chromebook」は奇妙な製品だ。これは不必要なハードウェアをそぎ落とし、クラウドとの連携を前提にし、インターネットが提供するものすべてをサポートしつつ(そしてそれ以外のことはほとんど考慮していない)、価格の安さを追求した製品なのだ。しかしその思想は新たな「Chromebook Pixel」の立ち位置を微妙なものにしている。というのも同製品はGoogleの開発したウェブOSである「Chrome OS」が提供する機能(そして落とし穴)を実現しているが、Chromebookというプラットフォームが持つ最大の資産であるはずの「価値」を感じさせないためだ。
とはいえChrome OSは、Googleの過去数年間の努力により大きく洗練されてきている。このため「Gmail」や「Google Docs」「Google Drive」といったブラウザベースのGoogleアプリに親しんでいるのであれば、330ドル程度で入手できる東芝の「Chromebook 2」といったエントリーレベルのChromebookは間違いなく検討に値する製品と言える。
その一方で、Chromebook Pixelはエントリーレベルのマシンからはほど遠い。同製品はしっかりした作りで、動作がきびきびしたノートPCであり、Intelの最新世代プロセッサである「Broadwell」と、USB Type-C接続機能、ゴージャスな高解像度タッチスクリーンを搭載している。こういった最高レベルの機能を搭載した結果、価格は999ドルという手の届きにくいものになっている。この価格は東芝のChromebook(そして他社の安価なChromebook)の3倍であり、Appleの「MacBook Air」やDellの「XPS 13」とほぼ同じ価格となっている。
ここに大きな問題がある。Chrome OSは、そしてその延長線上にあるChromebook Pixelは1000ドルの価値に見合わないのだ。
新型Chromebook Pixelの見た目には親しみを感じるかもしれない。それは間違っていない。この製品の筐体は、2013年に発売された初代Chromebook Pixelのものとほとんど変わっておらず、ふたの上部に「Google Chrome」のロゴに対応した配色のしゃれたライトバーが配されている点も同じだ。ただこのライトバーには、ふたが閉じられている時にダブルタップすると、その光り加減でバッテリ残量の見積もりをカラー表示するという機能も新たに搭載されている。
ディスプレイもさほど大きく変わっていない。解像度は2560×1700ピクセルであり、アスペクト比は縦横がほとんど同じ長さに見える3対2だ。標準よりも縦方向に長いこのディスプレイは、ウェブ上のテキストをスクロールさせながら読んでいく際にはちょうど良いと感じられる。また、239ppiという画素密度のおかげでテキストはスムーズかつシャープな見た目となっている。
これは本当に素晴らしいディスプレイだ。400カンデラ毎平方メートルという輝度は非常に明るく、視認性も良好だ。画質は素晴らしく、色再現性も高く、正面以外の角度から見ても色ずれすることがない。また、タッチスクリーンの精度と応答性は高いうえ、GoogleはChromeブラウザにおけるタッチ操作のエクスペリエンスも向上させている。例を挙げると、Gmailにはタッチスクリーン搭載機器向けの「タッチ操作モード」が用意されており、指を使ってメッセージやウェブページのナビゲーションが簡単にできるようになっている。
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