どの層がねらい目か見極めよ--「価値観」に見るアジアの消費者

呉恵文(D2C)2015年03月31日 09時00分
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 この連載では、企業でのアプリのプロモーション活用から、スマートフォン広告で重要な位置を占めるテクニカルな運用型広告、メディアやアプリ・マーケットなどの市場環境を含め、“デジタルマーケティングの今”をお伝えする。今回はASEANに進出する際の、ターゲティングの参考になる情報を提供しよう。

6つの層のどこがねらい目か?

 1000人を対象にしたクラスター分析をしてみると、アジアの消費者は、図のように6種類のカテゴリーの人間がほぼ同じ程度の数存在することがわかる。日本で言う、F1やM1といった分類にも似ているが、こちらは男女では分けていない。彼らのどこをメインターゲットにするのかは極めて重要な点だろう。それぞれ金銭感覚もモノに対する見方、考え方も違う。一つひとつ、見ていこう。


1000人を対象にしたクラスター分析
●イケイケアジアバブル層

 彼らは現状に非常に満足している。自分が成功しているという意識も強く、さらなる成功も信じて疑わない。実際、年収も増え続けている。魅力を感じるブランドを、ステータスを顕示するために購入するケースが多い。払える自信があるので、ローンでどんどん買い物をする。社交的で、積極的に自分の周りのコミュニティに参加し、関与する。タイやベトナムに多く見られるタイプだ。

●成功飢餓意識層

 30代後半から40代に多い。現在の仕事や地位にはあまり満足していない。自身の生活向上に意欲的で、何であれ成功に向けてのアクションを起こすことをいとわないが、何をしていいかわからなくて暗澹としている人も少なくない。個性を大事にするので、メジャーブランドを無理して買ったりはしない。インドネシアやベトナムに多く見られるタイプだ。

●ザ・中間層

 自分の将来のキャリアを描くとか、コミュニティの中でポジションを築くことにあまり関心がない。自分はこういう人間だというよりも、自分はこういう人間ではないという考え方、モノの見方をする。平均か、それ以上の収入もあり、貯蓄も高いのだが、流れに身を任せていて、特に明確な目標を持っていないというケースが多いようだ。

●アジア的合理主義者層

 女性が61%を占めるカテゴリ。年齢的には30代後半から40代が多い。特に意欲的ではないが、現状にもあまり満足していない。経済成長などには冷めた一面を持つ。チームワークを重視する。環境に対する意識が高い。貯蓄に熱心。

 製品を選ぶ際は機能重視。フィリピン、インドネシアに多く、ベトナムには少ないタイプ。

●アジアヤンエグ層

 年齢は最も若く、18歳から24歳が中心。明日の成功を夢見る層だ。収入も少なめのため、消費額は多くない。ブランド品にもそれほど関心は示さない。チームやグループによる行動が好きで、友好的だ。環境や子ども、コミュニティ、健康などにはあまり関心を示さない。タイに多く見られるタイプ。

●アジアサクセス信仰層

 若者が中心。現状に不安を持っていて、積極的に成功への道を歩みたいと思い、そのための意欲は高い。仕事を重視し、仕事のために家族の時間を割くというのが理解不能らしい。自分が他人にどう見られているかを非常に気にする。今の消費意欲はあまり高くない。

 こうした層のどこをターゲットとするのか、それは商品特性によって変わってくるだろう。

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