一番賢いと感じたのは、コミュニケーションのための友達リストを前面に押し出したことだ。もしチャットが簡単になるのなら、既存のほかのスマートウォッチを一気に抜き去る可能性がある。ただしもちろん、友達リストの魅力は、友達もApple Watchを持っているかどうかに大きく依存する(iPhoneでも利用はできる)。
Apple WatchがWi-Fi経由でも動作することは、ほかの陣営に対する優位点の1つだ。Android Wearでも近いうちにWi-Fiがサポートされる可能性はあるが、これによって自宅やオフィスでスマートフォンに縛られる度合いが少し減っている。
Apple Watchのカスタマイズ可能な文字盤は、Android Wearの同じ機能を持つ文字盤と比べると、機能が多いようだ。サムスンのスマートウォッチ「Gear」シリーズでもカスタマイズは可能だが、Appleのものの方が多様性があり、魅力的に見える。一目で見られる情報が細かくカスタマイズできるのであれば、使い勝手も向上する。
ただし、まだ答えが分からない大きな疑問点がかなり残っている。最初の疑問点は、インターフェースは混乱せずに使えるのか、ということだ。筆者が試用した時も、Apple Watchの操作には多くのタップやスワイプ、クリックなどが必要だった。入れ子になっているアプリや一目で見られるアプリの操作、ダブルクリックなどには、多くの人が混乱するだろう。このデバイスは、かなり高度なものなのだ。
またもう1つの疑問は、バッテリが持つかということだ。Appleのテストで推定18時間というのはあまり十分なものには感じられないし、これには睡眠トラッキングの用途などは考慮されていない。この推定値は少なめに見積もったものなのか、それとも楽観的なものなのか?
最後の疑問点は、アプリの影響だ。今回のイベントで見たいくつかのアプリには期待も感じたが、驚きを感じさせるものはなかった。Apple Watchにキラーアプリが登場するチャンスは大きいが、それにはユーザーの興味を引く必要がある。これが、最大の不確定要素だろう。そして、そもそもこのスマートウォッチを欲しいと思うかが問題だ。筆者自身は、完全には納得していない。Appleはシンプルさを強調するが、Apple Watchは複雑なデバイスに見える。はたして、Appleが願っているほど簡単に楽しく使えるものだろうか。
4月24日の発売日は遠い未来ではない。今のところ、2014年9月に比べ、それほど多くのことが分かったわけではない。Apple Watchの全体像を知るには、実際に1週間ほど身につけて見るしかないと感じる。
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