KDDI∞Labo

スタートアップを飛躍させるエコシステムを生み出したい--KDDI ∞ Labo第8期の狙い - (page 3)

KDDI ∞ Laboが目指すのは、ベンチャーを取り巻くエコシステムの確立

――第7期から始まったパートナー連合プログラムによる支援ですが、その狙いは何でしょうか。

江幡氏:KDDI ∞ Laboを立ち上げると決めた当時も、ある程度継続した支援をしていかなければならないという覚悟をもってやってきたのですが、一方で仕組みはどんどん進化していかなければならないと思うのです。

  • KDDI新規事業統括本部 新規ビジネス推進本部 戦略推進部長の江幡智広氏

 スタートアップ企業や世の中のエコシステムはものすごく進化していますし、私たちがそれを上回る進化をしなければ、世の中から価値のない取り組みだと評価されることも考えられる。その上で、第7期から始めたパートナー連合プログラムの取り組みは、スタートアップ企業にとって価値のあるものになったのではないかと思います。

 もしかしたら、今後更に進化していけばパートナー企業がKDDI ∞ Laboを離れて、独自にスタートアップ企業を支援するという展開もありうるかもしれない。そういう環境の変化も含めて、KDDI ∞ Laboはこれからも進化していかなければならないと感じています。仮にKDDI ∞ Laboがなくなったとしても、スタートアップ企業を支援する枠組みを多くの企業が独自に生み出しているという状態は、理想と言えるのかもしれませんね。

小泉氏:先ほども申し上げた通り、日本にはシリコンバレーのようなベンチャー企業を取り巻くエコシステムが確立していない。KDDI ∞ Laboではそこを目指していきたいですね。

――第8期では、パートナー企業からどのようなアセットやノウハウを提供していく予定でしょうか。

小泉氏:凸版印刷にはモノづくりのアセットが色々あります。特に最近ではベンチャーとモノづくりの関係で活用されている3Dプリンティングの技術やソフトウェアが提供できるのではないかと思います。また、私たちは、基本的には “受注産業”なのですが、中には電子チラシ「Shufoo!」といった自主事業や、地図サービスや位置ゲームを展開するマピオンのように事業を立ち上げてカーブアウト(事業分離)した企業、電子書籍サービスを展開するBookLive!といった関連会社も展開していますで、そこで培った経験値やノウハウも提供できるのではないかと思います。

三浦氏:クレディセゾンはビジネスに不可欠な決済周辺のサポートに加え、ネット会員へ1100万人ご登録いただいております。この会員はクレジット会員がベースですので、本人確認済みであり、カードの購買履歴情報も保有しています。このアセットを活用したテストマーケティングを提供することが可能となります。また、我々は様々な小売企業と“提携カード”の発行という形でお取引があるので、そうした取引先にも協力いただいてリアルな店舗を活用したサービスの開発も可能なのではないかと思います。

江幡氏:加えて、企業同士の横の繋がりは今後どんどん生まれてくるのではないかと思います。スタートアップ企業は、人もいない、お金もない、モノもないとても弱い立場ですよね。困ったときにはスタートアップ企業同士で助け合うか、支援してくれる人や企業を頼るわけです。ただし一方で、大企業というのは社内に色々なファンクションがあるため、社内で困ったところをだいたい解決できる。そういう意味では、スタートアップ企業と大企業の繋がりや大企業同士の繋がりはなかなか生み出し辛かったのです。

 そこで、KDDI ∞ Laboを通じてそれぞれの企業が持つ事業課題を共有することで、「一緒にやればこんなことができるのでは?」という会話が生まれ、そこから新たなアクションのきっかけを生み出すこともできます。大企業同士の連携にスタートアップ企業も関わることができれば、これまでになかった企業連携のモデルができるのではないでしょうか。

三浦氏:それはあると思います。たとえば、普通にベンチャーさんの案件を我々の取引先に持ち込んでも、事業連携に至るには時間を要すると思います。しかし、今回パートナー連合プログラムに参画している上、我々と提携カードを発行しているパルコ様や三井不動産様となら本プログラムを通じての実行が非常にスムーズに進むのではないでしょうか。これがKDDI ∞ Laboの枠組みを活かした効果なのかもしれません。

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