「トマトに足りないのはモバイル性。何をしていてもトマトを食べられるものを作った」。
カゴメは2月19日、走りながらトマトを食べられるウェアラブルデバイス「ウェアラブルトマト」を東京マラソンEXPO2015で披露した。2月22日の東京マラソンに向けてアートユニットの明和電機と共同開発したもので、当日はカゴメ品質保証部の鈴木重徳氏が、2種類のうちの軽量モデルを着用して走る予定という。
ウェアラブルトマトは、明和電機の土佐信道氏がデザイン。トマトの人形を背負うようにして着用する。モーターひとつですべての可動部が動作し、背中側から口元まで、トマトが1つずつ自動で運ばれる。重量は約8kgという。
カゴメでは、今回の開発プロジェクトの目的を「スポーツとトマトの相性が良いという事実を多くのスポーツ愛好家に認めてもらうこと」と説明する。明和電機を開発パートナーに選んだ理由は、「ユニークなものを真剣に考えて、ナンバーワンよりもオンリーワンのものを作りたかったから」(鈴木氏)。開発にあたっては「トマトを楽しく食べられること」と「軽さ」を重視したそうだ。
明和電機の代表製品には、指を鳴らすことで木魚を奏でられる楽器「パチモク」などがある。土佐氏は「21年間やっているが、まともなものを作ったことがない。(カゴメがウェアラブルトマトの開発を)よく頼んだなと思う」と話し、場内の笑いを誘った。
カゴメがウェアラブルトマトを開発する一方、ドールは「ウェアラブルバナナ」を開発した。これは走りながらバナナを食べられるものではなく、「食べられるウェアラブルデバイス」という。
ランナーの手首に装着するリストバンド型のデバイスで、「食べる」以外の機能も充実している。(1)スタートからフィニッシュするまでの時間経過の表示、(2)心臓部または手首の脈から計測した心拍数の表示、(3)Twitterハッシュタグ「#wearable_banana」の付いた投稿(応援メッセージ)の表示、(4)GPS機能を使った、コース内のバナナ補給ポイントのサジェスト――が可能だ。なお、食べるときには皮をむく必要があるという。
今回、食品企業2社が同時に“ウェアラブル”を軸とした企画を立てた。この流れについて、WOMマーケティング協議会 事務局長の細川一成氏は「コミュニケーション戦略上での大きな意味がある」と分析する。
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