食品会社が手がけたトマト&バナナの「ウェアラブル端末」--運動との親和性訴求 - (page 2)

井指啓吾 (編集部)2015年02月20日 08時00分

「食品×ウェアラブル」戦略の2つの狙い--細川氏の分析

 「1月に開催され、多くの来場者を集めたウェアラブルEXPOの例を出すまでもなく、2015年はウェアラブルデバイスが大きな注目を集めており、『ウェアラブル』は時代を象徴するキーワードになっています。

 その中で、ウェアラブルと一見して無関係に思える食品の分野でこのキーワードが相次いで登場してきていることには、コミュニケーション戦略上の大きな意味があるのではないかと思っています。

 ひとつは、ウェアラブルというキーワードに関心を持つ生活者に向けた気づきの喚起です。食品にウェアラブルの名前をつけることで、ウェアラブルの情報を欲しがっている、または、その意味を知りたがっている生活者に情報を届けることが可能です。

 もうひとつは、『食品なのにウェアラブル』という、一種の逆説の面白さの訴求です。ウェアラブルと聞けば、誰もが電子機器類を思い浮かべると思うのですが、そこに唐突に食品が出てくる面白さがここにはあります。

 『頑丈なのに薄い』『炭酸飲料なのに温かい』など、これまでも逆説の面白さを訴求して話題を呼んだ商品はいくつもあり、逆説の面白さを狙う情報づくりは、クチコミを生み出す大きなポイントのひとつだと言えるでしょう。

 ただし、もちろんこういった言葉遊びだけではいけません。

 ウェアラブルトマトも、ウェアラブルバナナも、科学的根拠など根っこの部分がしっかり組み立てられており、また、名前のインパクトに惹かれて接触した人に、それ以上のことを知りたいと思わせるだけの情報の深みがあります。

 こういった土台を持ちつつ、さらにウェアラブルというキーワードを組み合わせたところに、両事例の深い戦略性がうかがえます。」

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