この連載では、アウンコンサルティングの現地駐在員による、日本・台湾・香港・タイ・シンガポールでのマーケティングに役立つ現地のホットトピックを週替わりでお届けします。今回は日本から、重要度が増す「インバウンド施策」の基礎知識をお伝えします。
日本政府は、2020年に訪日外国人数が2000万人に達すると発表しています。皆さんの周りで、海外からの観光客が増えていると思いませんか? アウンコンサルティングの所在地は某大型ホテルの目の前。筆者が朝、コンビニに行ったとき、海外の人がレジに並んでいる姿を以前よりも多く目にするようになりました。
訪日外国人数は増加の一途にあり、10年前の2004年は613万人。それが2014年には1341万人に達しており、その数は倍以上になりました。近年、いかに政府が訪日外国人の取り組みに力を入れているのか、数字で見ると一目瞭然ですね。
さまざまな業界で、インバウンドに関する施策を考えることが必須となってきています。
当社の拠点がある台湾、香港、タイ、シンガポールの訪日外国人数を比較してみました。次のグラフは、2014年の各国の訪日外国人数です。台湾からの訪日外国人数は群を抜いて多くなっているのがわかります。
先に述べたように、訪日者数は増加の一途にあります。2012年、2013年、2014年の訪日外国人数を比較してみたところ、各国と地域で次のような結果が出ました。各国と地域からの訪日外国人数が確実に増え続けていることがわかると思います。
そして、もう1つ注目していただきたいのが「訪日外国人数が増えている時期」。赤く囲ってある箇所は、2012年、2013年、2014年と1年のうちに訪日外国人数が増加している月です。
3年を通して、各国と地域でそれぞれ同じ月に訪日外国人数が伸びているということは、その時期をターゲットとしてインバウンド施策を講じると、それがより有効な結果をもたらすことを表しているのではないでしょうか。
たとえば、タイ。ソンクラーンという大型休日が4月にあり、その時期に訪日外国人数が伸びています。また10月も4月程ではありませんが、訪日外国人数が伸びる傾向にあります。そこで4月と10月は、タイにおいてインバウンド施策を講じるのに適している時期だと言えます。
一方、シンガポール。6月にわずかですが訪日外国人数が伸びる傾向にあり、年末にかけてその数は一気に上昇、3年とも12月は1年で最も訪日外国人数が多い月となっています。
このように、各国と地域でインバウンドに適している時期は異なります。それぞれの特徴をつかみ、対策をすることが成功のカギです。
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