アジア現地駐在員マーケティングレポート

訪日外国人を取り込む「インバウンド施策」導入編 - (page 2)

島津健三(アウンコンサルティング)2015年02月18日 08時00分

インターネットマーケティングにおける、インバウンド施策

 そもそもインバウンド施策とはどのようなことをするものなのか。ここでは、インターネットにおけるインバウンド施策の「導入」を少しお伝えします。皆さんの中で、インターネットで検索をする際、GoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンを使っている方も多いと思います。

 世界でも同様にさまざまな検索エンジンが使われており、各国や地域によって、その特色は異なります。

 次のグラフは、2014年1月~12月の期間で、現地語による「日本 旅行」の検索数を抽出したものです。台湾からの訪日外国人数が群を抜いて多かったのにも関わらず、「日本 旅行」というキーワードに対しては、タイが上回っています。


台湾/香港/タイ/シンガポールの各月の検索キーワード「日本 旅行」の検索数(2014年)

 考えられる要因は、タイにおいてGoogleの検索エンジンシェアが大きいこと。タイにおけるPCでのGoogleのシェアは約98%(出典:Statcounter/2014年12月時点)と、大変大きいシェアを保持しています。

 一方台湾では、PCでのGoogleのシェアは約75%、そしてYahoo!とBingのシェアは約25%(出典:Statcounter/2014年12月時点)と、タイとは異なりYahoo!とBingも大きなシェアを保持しています。

 上記グラフはGoogleのデータを参考にしているため、このようにタイで検索数が大きく飛躍したことが考えられます。

 このように、各国と地域で検索エンジンシェアの特徴は大きく異なります。現地でインターネット広告を出稿する際に全く使われていない検索エンジンを使っても、悲しい結果になってしまいます。各国と地域の検索エンジンシェアを調べることが、インターネットにおけるインバウンド施策の大前提といえるでしょう。

 また、現地語でどのような検索キーワードが使われているのかもポイントになります。日本語のキーワードを翻訳ツールに入れて各国、地域の言語に変換すれば問題ないと思っていませんか? これは大間違い。現地のマーティングに精通した人に聞くのが最良です。

 インバウンド施策は、さまざまな手法があります。現地の人々がどのようなことに興味を持ち、実際に足を運んでくれるかは、それぞれの国と地域によって趣向が異なります。現地の特徴をつかみ、施策を考えることが、大きなマーケットになりつつあるインバウンドにおいては重要なのです。

島津健三(しまづ けんぞう)

アウンコンサルティング

2007年12月アウンコンサルティング入社。

検索エンジンマーケティング(SEM)事業で、コンサルタント、営業を経験。金融、美容業界などBtoCを中心に幅広い業界の導入支援実績を持つ。

現在はエキスパートマネージャーとしてグループを統括し、グローバルマーケティング戦略の立案・実行に携わる。

最近の趣味はジョギング。平日は忙しく運動不足になりがちなので、週末は決まって、近所である多摩川沿いを走っている。



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