ヤフー、トップページを阪神・淡路大震災仕様に--創業以来2度目の「広告非表示」

井指啓吾 (編集部)2015年01月15日 08時30分
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 阪神・淡路大震災発生から20年となる1月17日、ヤフーは「Yahoo! JAPAN」トップページで、写真や映像、統計データを用いて当時の様子を振り返り、防災を呼びかけるコンテンツを展開する。その際、PCとスマートデバイスの両トップページの広告を丸一日すべて非表示とし、特集ページなどへの誘導枠とすることがわかった。


1月17日のYahoo! JAPANトップページ(イメージ)

 同日のトップページでは、その特集ページに誘導するためのバナー広告を掲出するほか、テキスト広告を使って、防災に関する検索結果ページやYahoo!ショッピングの備蓄品の販売ページなどへの誘導を図る。

 なおPC版では演出の都合上、広告以外に映像トピックスなど一部コンテンツも非表示にする予定という。トップページでの演出と誘導は1日限りだが、特集ページ自体は2月13日まで公開するとのことだ。

 トップページの広告を丸一日下ろすことによる影響は――。決算資料などにトップページ広告の種類別の売上が記載されていないため、1日あたりを概算するのは難しい。ヤフーでは「具体的な数値は出せない」としながらも、「Yahoo! JAPANの収益の柱である広告事業で、さらに最も人が集まるトップページ(Yahoo! JAPAN全体PVは月間約600億)の広告を下ろすことはとても大きな決断」とコメントしている。

 ヤフーがトップページの広告を下ろすのは創業以来(またはトップページに広告を表示させるようになってから)2度目となる。前回は東日本大震災が発生した2011年3月11日の19時頃のことで、首相官邸のウェブサイトのバナーなどを掲出していた。

防災意識を高めるきっかけに

 この企画の狙いは、ユーザーの防災意識を高めること。特集ページでは、当時の被害状況、有事の際に取るべき行動などをインフォグラフィックを用いて視覚的に伝える。使用する素材は、写真は神戸市震災写真オープンデータサイト「阪神・淡路大震災『1.17の記録』」やアフロ、映像は毎日放送、統計データは国土交通省近畿地方整備局、神戸市、兵庫県、消防庁などのものを使用する。

  • ヤフーの寺園佳氏

 ヤフー スタートページユニットで演出プロモーションを担当する堀口義介氏、寺園佳氏によれば、この企画は大阪支社のニュース編集室とサービス本部のスタッフらによる提案から始まったという。東京と大阪でテレビ会議を通じて特集ページ作りを進めたそうだ。

 大阪支社に2度出張したという寺園氏は、「震災に対して各スタッフが色々な思いを持っているなか、特集への考えが食い違ったり、コミュニケーションロスが発生したりすることはなかった」と振り返る。企画の立ち上げから2カ月ほど、普段の業務を止めて特集に専念するメンバーもいたという。現在はページ公開当日に向けて、最後の追い込みをかけている状況だ。

  • ヤフーの堀口義介氏

 「震災当時の状況をあらためて聞くと、知らないことが多くある。関東地方で大きな地震が起こると言われている昨今、今後の防災行動を考える上で役に立てば嬉しい。かたくて真面目なコンテンツだが、多くの人に見てもらえたら」(寺園氏)。

 堀口氏は広告主に対し「ご理解いただけて大変ありがたい」と恐縮していた。「20年という1つの節目が、防災について考えるいいタイミングなのではないかと思う。防災、減災のきっかけ作りになれば」(堀口氏)。

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