「楽天ID」9000万人分に紐づくビッグデータを活用--楽天マーケティングジャパン事業

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 楽天は、同社グループのアドテクノロジやメディアサービスを横断して広告の企画提案をする「楽天マーケティングジャパン事業」の広告主と広告会社向け戦略説明会「Rakuten Marketing Japan Conference」を開催した。

  • 楽天マーケティングジャパン事業長 濱野斗百礼氏

 楽天マーケティング事業は、楽天の会員IDに紐づくビッグデータを軸に、楽天市場や楽天レシピといったデジタルメディア、楽天スーパーポイントを利用できる実店舗など楽天が展開するあらゆるタッチポイントを活用して、企業が広告展開できるという統合的なデジタルマーケティングを推進している。事業の傘下にはメディア、アドテクノロジ、データマネジメントという3つの資産を持ち、楽天IDに紐づく閲覧履歴データや購買データなど「個人が特定できない形の消費行動分析データ」に基づいて効果的なブランドマーケティングやセールスプロモーションを広告主に提供する。

 楽天マーケティングジャパン事業長の濱野斗百礼氏は、「楽天グループが保有する事業資産を活用して、生活者のさまざまなシーンにおいてデジタルマーケティングソリューションを提供するのが我々の目的。広告主には課題を解決するために、ぜひ楽天が保有する9000万人分の楽天ID、オンライン・オフラインの購買データ、テクノロジ、メディアといったあらゆる資産を使ってほしい」と説明し、楽天の会員IDに紐づくビッグデータから広告主の目的に応じたターゲティングとメディアの特性に応じた柔軟な広告展開が強みである点を強調した。


 「楽天IDを活用すると、自分たちの商品を買ってくれているお客さんが普段はどこでどんなことをしているのかがわかってくる。たとえば、広告主を保有する顧客のメールアドレスを楽天IDのデータベースと突き合わせると、楽天には9000万のIDがあるので、8割から9割はメールアドレスの保有者が特定できてしまう。すると、広告主の顧客が楽天でどのようなものを購入しているのかというデータを活用でき、それによって顧客のインサイトを理解してどのように顧客を獲得して育てれば良いのかということがわかってくるのではないか」(濱野氏)。

 一方、楽天マーケティングジャパンRMJマーケティング部長の向谷和男氏は、楽天マーケティングジャパンのマーケティング戦略について説明。向谷氏は「一日の生活の中で楽天はさまざまな形でサービスを提供している。楽天はマルチデバイス、マルチチャンネル、マルチライフシーンにおいて、楽天IDをハブにしたマーケティングプラットフォームを広告主に提供していく」と事業の方向性を説明。メディアやアドテクノロジの特性に応じて、ブランディングを目的とした広範囲なリーチとターゲットユーザーに対する密度の濃いコミュニケーション戦略が可能であるとした。

  • RMJマーケティング部長の向谷和男氏

 その中で、向谷氏は楽天社内で使われている「カテゴリーマス」という考え方を説明した。「カテゴリーマス」とは、特定のカテゴリに多くのユーザーがいる“マス”の状態を指す。たとえば、年間に生まれる新生児は100万人。つまり、毎年100万人の新しいママが誕生しているが、楽天市場の「キッズ・ベビー・マタニティ」のカテゴリには約70万人のユーザーがおり、これはママを対象にした雑誌発行部数を大きく上回る。ターゲットは特定のセグメントに絞られているが、ブロードリーチ型の広告に匹敵するリーチを実現できるというのがポイントだ。

 また、ECデータの閲覧履歴と購買履歴を活用する意義について、向谷氏は「ECサイトは購入するときだけ利用すると思われがちだが、実は2回使われている。商品に関心を持ったときに情報収集のためにECサイトを利用するケースが多いのだ。商品購入に関心を持ったユーザーを捉えたいという場合に、楽天のデータを活用すれば可能になるのではないか」と説明。楽天市場の四半期あたりの購買者数は約1400万人おり2日に1回は楽天市場を訪問しているとのことで、セグメントを絞っても「カテゴリーマス」を形成するのに十分なリーチを実現しているとした。


 そして、特化型メディアの活用については、「楽天レシピ」の新たな展開を紹介。「スマートフォンを使っている料理したい人たち」というカテゴリーマスに対して、プロのシェフが商品を活用した料理法を紹介する料理番組を提供するコンテンツマーケティングを展開することで、コンテンツとしての価値と商品の紹介を同時に行うことを可能にしているという。また、コンテンツに接触したユーザーIDに対して継続的な広告展開ができ、ユーザーとのエンゲージメントを深くすることが期待できるそうだ。

 プレゼンテーションの最後に、向谷氏は楽天マーケティングの「Driving the Omni Experience」というスローガンを紹介したうえで、「楽天IDを核としたマルチチャネル、マルチライフシーンをマネジメントし、メディア、データ、テクノロジを活用した統合型デジタルマーケティングを推進して、広告主の課題解決に貢献したい」と締めくくった。

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