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競合は「Google」--日本参入から半年、大手SSPであるRubicon Projectの今

井指啓吾 (編集部)2014年10月22日 09時00分
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 「日本参入には相当なコミットを覚悟している」――大手SSP(Supply Side Platform)の米Rubicon Projectが日本市場に参入して半年以上が経った。9月に来日していた同社国際業務部長のジェイ・スティーブンス氏によれば、日本支社カントリーマネージャーの池田智幸氏を中心としたスタッフが、着々と戦略を進めているようだ。

  • Rubicon Project国際業務部長のジェイ・スティーブンス氏

 2007年に設立された同社は、ロサンゼルスを本拠地とし、ニューヨーク、サンフランシスコ、パリ、ハンブルク、シドニー、ロンドンなど世界10都市に営業拠点を構える。提供している自動広告プラットフォームでは、世界で約700のプレミアムパブリッシャー(広告価値の高いメディア)やアプリケーションが、10万以上の広告ブランドと取引きをしているという。

 スティーブンス氏はRubicon Projectの国際事業の拡大を主導する人物で、英国やフランス、イタリア、ドイツ、オーストラリア支社をゼロから設立してきた。一方の池田氏はこれまで20年以上、アリンソフトウェアやアドビ、オットージャパン、オーバーチュアなどの日本進出を牽引してきた。

 自動取引広告の世界での動き、日本市場の可能性などについてスティーブンス氏、池田氏に聞いた。

――日本市場への参入から半年以上が経過しました。

スティーブンス氏:まだ始まったばかりですが、いくつかのパブリッシャーのクロージングを決めているので、良い調子だと思います。

池田氏:今は非常にフィードバックが良く、約10社と契約させていただいて、約20社とは契約をレビューさせて頂いている状況です。

――日本市場に参入し、どのような印象を持ちましたか。

スティーブンス氏:競争が激しくなってきていて、広告代理店側から見ると、細分化されたマーケットになりつつあります。代理店はテクノロジー企業ではないですが、日本では電通と博報堂がそれぞれサイバー・コミュニケーションズ (cci)、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)という会社を持ち、独自のテクノロジーを作っています。逆にいうと、サードパーティのDSPのライセンシングは積極的にやっていないということでしょうね。一方で米国の広告代理店では、その逆が多いです。

 パブリッシャー側から見ると、米国の主な媒体は何らかのSSPをすでに採用していますが、日本ではまだそこまで至っていないと感じます。

池田氏:日本の場合は、まだSSPを使っていないという会社がありますし、アドネットワークしか使っていないところもあります。

――日本市場で力を入れていることは。

スティーブンス氏:いま日本には5人のスタッフがいますが、リソースの投資など、相当なコミットを覚悟しています。

 また、RTB(Real-Time Bidding)の速度を考慮すると、東京に専用のデータセンターを持ち合わせていなければなりません。それは安価ではないので、会社としてコミットしていく覚悟が必要です。さらに、米国での製品、会計、マーケティングなどのサポート機能をしっかりローカライズしなければいけません。

 このように、日本展開は英国にオフィスを開設するような簡単な話ではありません。幸いにもオーバーチュアのCFOを務めていた者が、我々のCFOをしています。彼は以前、日本に参入した経験を持っています。

――日本での今後の戦略を教えてください。

  • Rubicon Project 日本支社カントリーマネージャーの池田智幸氏

池田氏:まずは、いま契約をしているプレミアムパブリッシャーに対し、しっかりとパフォーマンスを発揮していくことです。

 また一方で、大きな代理店とも話を進めており、プライベートマーケットプレイスについて、バイヤーサイドとセラーサイドの両方に興味を持っていただいているので、その関係も作っていきます。

――特に意識している競合企業は。また、どう差別化していくのでしょうか。

スティーブンス氏:意識しているのはGoogleです。そこに対しては、(1)サービスへの哲学、(2)製品の機能、(3)顧客へのサポートやコンサルティングのレベルの3領域で差別化しています。

 我々は自由で公正な、独立した取引を推奨しています。自らのソーシングから需要を引き出すことはしません。Googleは、自分たちが最も利益を得られるタイミングまでバイヤーを待たせる方法をとっているかと思います。

 それに絡んで、プラットフォーム上にある機能も、そういった哲学から異なるものになっていると思います。パブリッシャーにせよ、セラーにせよ、今後、我々がチームとしてサポートし、充実したサービスを提供したいと思っています。

――日本のアドテク市場が米国並に成長するには、あとどのくらい掛かるのでしょうか。

スティーブンス氏:とても早いかもしれません。ただし、いくつか要素があります。たとえばRubicon Projectのイタリアのケースでは、15カ月前にプラットフォーム上のパブリッシャーがゼロだったものが、今は28社に増えました。それはトップ50サイトのうちの28サイトです。そして、まもなく35社になる予定です。

 プレミアムパブリッシャーのインベントリが拡充されると、リマインドサイドの規模も広がってきます。我々がセルサイドで伸びていくのと同様に、反対側もどんどん伸びていく状況がありました。

 経済そのものがあまりよくない国なので、パブリッシャーも広告主も効率の良いプロセスを追求せざるを得ない状況にあります。日本でも1年ほどでそういう現象が起きるかもしれません。

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