Edison
世界中の技術者ホビイストが低価格コンピュータとセンサを組み合わせて、アートとテクノロジを融合させたオーダーメードの電子機器を作っているなか、メーカーの動きも活発になってきている。
市場は「Raspberry Pi」や「Arduino」などのシングルボードコンピュータやマイクロコントローラに支配されているが、いつでも新たな競合デバイスは現れる。
Intelが投入したのは、小さなシングルボードコンピュータである「Edison」だ。この基板は、切手よりも少し大きい、3.55×2.5×0.39cmのサイズしかない。
Edisonは35ドルのRaspberry Piの「Model B+」と比較されることになるだろうが、本来は完全なLinuxディストリビューションを動かす小型基板コンピュータではなく、電子機器のプロトタイプや製品で使われる、組み込みLinux用の基板として設計されたものだ。
EdisonはIntelの22nm「Silvermont」マイクロアーキテクチャを用いた「Atom」システムオンチップ(SoC)をベースにしており、500MHzで動作するデュアルコアIntel Atom Z34XX CPUとシングルコアマイクロコントローラを使用している。
この基板には、1Gバイトのメモリと、4GバイトのeMMCストレージが搭載されている。ネットワーク接続は、内蔵の802.11 a/b/g/n Wi-Fiと、省電力Bluetoothだ。1つだけあるUSBポートに、周辺機器を接続することができる。さらに、70ピンコネクタを持っているため、センサや他の電子機器を接続したり、他の周辺機器を接続するための別の基板をつなぐことによって、Edisonの機能を拡張することができる。この基板は、SDカードインターフェース1つ、UARTを2つ、I2Cバスを2つ、2つのチップセレクトを持つSPI、I2S、汎用の12ピン入出力(4本がPWM対応)、USB 2.0 OTGコントローラ1つを備えている。
Edisonは、Raspberry Piで動作するような完全なLinux OSではなく、組み込みデバイス用に設計されたシステムである「Yocto Linux v1.6」を動作させることができる。電源には、1.8Vの入力を必要とする。
この基板の価格は50ドルだが、カスタマイズした電子機器を作るには、Arduinoのブレイクアウトボード(107ドルもする)のようなものが必要だろう。
Edisonの実環境テストでは、615MIPSで動作することがわかった。これは、Raspberry Pi Model B+の実環境性能の約2倍だ。また、負荷が掛かっている状態で、最大500mAを引き出せると伝えられている。
しかし、Edisonは何に使えるのだろうか?Intelの開発者フォーラムでは、人型ロボットから追跡ドローンまでさまざまなプロジェクトが挙げられている。
提供:Intel