(編集部注:米CNETによる「iOS 8」の第一印象を前編と後編の2回に分けて翻訳して公開します。後編は10月7日に公開されています)
「iPhone 6」や「iPhone 6 Plus」の発売に先立つこと2日、細かい多くの新機能を搭載した魅力的な「iOS 8」がついにリリースされた。iOS 8における変更はすべてよくできたものとなっているが、まだ答えの出ていない疑問も数多くある。
例えば、iPhone 6とiPhone 6 Plusには近距離無線通信(NFC)を用いた決済機能「Apple Pay」が搭載されているとはいえ、このサービスがどの程度うまく機能し、どれだけ普及するのかはまだ分かっていない。またAppleは、キーボードやカメラといったコア機能へのアクセスをサードパーティーの開発者らに許すとしているものの、実際にAppleがどの程度まで制御を許すのかについては未知数なのだ。
実際のところここで最も興味深いのは、サードパーティーの開発者らが「iOS」の機能を拡張できるよう、Appleがついに門戸を開いたという点である。このこと自体がiOS 8の決定的な売り文句と言えるかもしれない。
これらの疑問に対する答えが見えていない状態では、iOS 8そのものに目を向けると、「iOS 7」で実現されていた機能を拡張するとともに簡潔にし、既存のアプリをさらに使いやすくするものだと言える。iOS 8は前バージョンにおけるデザインのやり直しのような劇的な変更ではなく、「iOS 6」のような大がかりなオーバーホールですらない。しかし、全体的に追加されている改善点を見れば、間違いなくダウンロードしたくなるはずだ。ただ、最も期待できる機能はまだ発展途上だという点を忘れてはならない。
iOSで最新かつ大きな売りとなっている追加機能では、iPhone 6で新たに搭載されたNFC技術が使用されている。これによって、多くの一般店舗のレジで「iPhone」を使った支払いが可能になる。同社はこの機能をApple Payと呼んでいる。iPhoneのカメラを使用してクレジットカード情報を取り込むだけで、「Passbook」内にクレジットカードや銀行カードの情報すべてを格納できるようになる。後は、レジに置かれている非接触決済システムにiPhoneをかざし、ホームボタンの指紋認証機能で本人認証を行えば、支払いは完了する。
Apple Payシステムは当初、Bloomingdale'sやMacy's、Walgreens、SUBWAY、McDonald'sといった数多くの大型店舗やレストランで利用可能になる予定だ。なお「iPhone 5」以降のスマートフォンとペアリングすれば「Apple Watch」でもApple Payのメリットを享受できる。
「Android」搭載スマートフォンでもNFCを使用した支払いシステムが既に利用可能になっている。しかし、実際に使用している人はほとんどおらず、サービスを提供している店舗も数えるほどしかない。AppleがNFCを採用したことで、スマートフォンによる支払いが主流になっていくかもしれない。
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