グランフロント大阪ナレッジキャピタルのアクティブスタジオにて、9月19日~21日までの3日間、インターネット上の動画をマルチアングルで切り替えながら再生できる多視点動画配信システム「VIXT(ビクスト)」の体験スペースが公開される。これに先駆け、同システムの記者発表会が9月18日に開催された。
VIXTは、複数のアングルから撮影した映像を、ユーザーが自在に切り替えて視聴できるシステム。再生した記録を保存して他のユーザーと共有したり、コメントを付けてコミュニケーションしたりなど、同じコンテンツを繰り返し楽しむ機会を提供する。
通常のブラウザが使えるためタブレットでも再生可能。体験スペースでは、6つのアングルから撮影した東京パフォーマンスドールのライブ映像をブラウザ上で自由に切り替えて見られるようにするという。
1つのコンテンツを視点を切り替えて見せるというアイデアは以前からあるが、VIXTではユーザーからの視点の価値に着目し、特定のユーザーの視点から編集された映像を共有したり、どのアングルで見ているユーザーが多いかをアングル別視聴率としてグラフで可視化させたり、映像にコメントを付けるなどの機能を追加できるようにしている。
ネット動画はユーザー同士が一緒に楽しむ機会も多いことから、動画を中心としたコミュニケーション機能を高めていくことを目指しており、システムの特許も出願中だ。
さらに、各アングルごとに異なる広告を配信したり、切り替えられる画面に合わせて広告を入れ込んだりすることについて、いくつかのアイデアを検討中で、現在は特許を出願中という。視聴者のユーザー属性や視聴時間なども詳細に集計できることから、視聴率やビュアー数に変わる、マルチアングル映像に合わせた新しい統計指標が提案されるかもしれない。
VIXTは、エンターテインメント分野以外に、繰り返し異なるアングルからの映像を見る必要がある医療研修や社員教育などの需要も見込まれている。今後の取り組みとしては、映像のバリエーションとして、ウェアラブルカメラやドローン、車載カメラを使ったり、可能であればカメラの持ち込みを許可して、観客の視点から見た映像を提供したりといったことも技術的には可能だ。
電通ではすでに、サッカーの審判にウェアラブルカメラを取り付けて撮影するなど、さまざまなアイデアを試している。そこから、コンテンツによって最適な映像やアングルを分析していくことも予定しているという。ただし、やはり新しい映像体験を生み出すのはユーザーからの発見であり、そのためにもVIXTを体験できる機会を今後も増やしたいとしている。
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