「Parallels Desktop for Mac」は、何年も前から「Windows」をはじめとする複数OSの稼働環境をMac上で提供してきている。そしてメジャーアップデートのたびにParallelsはさらなる機能を追加し、普段使用するOSと仮想マシン間の切り替えをよりシームレスにしてきている。
仮想化製品としては他に59.99ドルの「VMware Fusion for Mac」や、「VirtualBox for Mac」(無償)がある。こういった製品はいずれもMac上でWindowsを(同OSを所有している限り)稼働でき、用途によってはそれで十分と言えるかもしれない。
しかし、Parallels Desktop 10 for Macには今秋に登場する「OS X Yosemite」と「iOS 8」に対応しているという特筆すべき点がある。この新バージョンでは新機能によって、OS間をより対話的に切り替えられるようになり、例えばMacの「Launchpad」や「Dock」にWindowsアプリを追加したり、Windows環境からOS X Yosemiteの新機能に(この秋のYosemite登場を待つ必要があるが)直接アクセスできるようになっている。
Parallels Desktop(79.99ドル)はMac上で他のOSを稼働させるための仮想化システムだ。この製品は、例えば職場でWindowsを使っているものの、自宅ではMacのノートPCを使用しているという場合に重宝する。というのも、職場で使用しているWindows固有のツールを、別途コンピュータを購入せずともMac上で実行できるようになるためだ。
仮想化を使用すればコンピュータと直接関係のないOSを稼働させることができるため、ソフトウェア開発の場でも重宝されている。また、仮想化されたシステムがウイルスに感染したとしても、その影響は閉じたシステム内に限られ、ホストコンピュータに影響は及ばない。このため、感染したシステムを停止し、以前に取得した感染前のスナップショットを使って再起動すれば、まったく新しい状態でそのOSを使えるようになる。
さらに、Mac上でWindows用の豊富なゲームが遊べるようになるという点で、ゲームをプレイする人たちにとってもParallelsはメリットあるものとなる。ただしこの場合、使用しているMacにハイエンドのビデオカードが搭載されていない可能性もあるため、どれだけ楽しめるのかはゲームによって変わってくる。
Parallelsを同アプリ内で提供される無償のOSとともに使用するという場合(これについては後述する)、Parallelsの価格である79.99ドルを支払うだけで済む。しかし今回筆者が試用したように、Windowsを稼働させる場合、Parallelsの79.99ドルに加えて「Windows 8.1」の価格(現在では概ね119.99ドル)を支払う必要がある。これは安くはないが、上述した利用形態を考えているのであれば十分に価値があるはずだ。
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