アップル「OS X Yosemite」はこうなる

アップル次期「OS X」を事前検証(第2回)--「Markup」と「Mail Drop」が強化するMailアプリ

Jason Parker (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2014年08月06日 07時30分

 「Mac OS X 10.10 Yosemite」の「Markup」機能と「Mail Drop」機能によって、「Mail」は競合製品の一歩先を行くことになるが、特に奇跡のような仕掛けがあるわけではない。目新しい機能や画期的な機能ではないものの、Appleはさらなる使いやすさと便利さを追求して、こうしたプロセスを作り替えた。

 Yosemiteの正式リリースは今秋の予定だが、先々週パブリックベータ版が提供されてから、筆者は多くの新機能を詳しく見ている。最初は「Spotlight」を取り上げたので、今回は「Mail」アプリケーションを見ていくことにしよう。

Mail Dropで大容量のファイルを添付

 電子メールに大きなファイルを添付した経験がある人は、送信できるファイルのサイズに制限があり、数Gバイト以上の添付を送信しようとするとエラーになることを知っているはずだ。

 その対策は、「Gmail」や「Outlook」といった他の電子メールクライアントでも同様で、ファイル(または複数のファイルを入れたフォルダ)を「Dropbox」や「Google Drive」などのクラウドサービスにアップロードし、ファイルへのリンクを相手に知らせるという方法だ。これはどのプラットフォームでもごく一般的な方法であり、現在「Mac」を使っている場合も変わらないだろう。有効な手段ではあるが、数ステップの手間がかかる。

 AppleがYosemiteのMail Dropで導入したのが、Mailアプリケーションから離れることなく、数Gバイト以上のファイルを今までよりずっと簡単に送信する機能だ。

 Yosemiteでは、最大5Gバイトまでのファイルをいつもと同じように添付できるようになる。YosemiteのMailは大容量ファイルの送信を自動的に認識し、「iCloud」にアップロードする。

 相手がその電子メールを受信すると、次の2つの処理のいずれかが実行される。相手もAppleのMailを使用している場合は、添付ファイルは現在と同じように受信され、電子メール内に表示される。ただし、内部的な処理は同じではない。ファイルはサービスプロバイダーを経由せず(したがってプロバイダーによる制約を受けない)、送信側のアップロードでも受信側のダウンロードでもiCloudが使われる。

 相手がMailを使用していない場合は、大きな添付ファイルはリンクとして表示され、iCloudから直接ファイルをダウンロードできる。ちなみに、こうした大容量の添付ファイルは、iCloudのストレージ容量制限には含まれない。

 おかしな話だが、他の大手ベンダーがMail Dropと同様の機能を投入するのはさほど難しくないだろう。

 Googleの場合、大容量ファイルをGmailから自動的にGoogle Driveにアップロードできそうなものだし、スマートフォン用のGmailアプリにすでに手書き機能があることを考えれば、Yosemiteと同じようにMarkup風のツールを実装することもそれほど無理な話ではなさそうだ。

 Microsoftにしても、Outlookから「OneDrive」を利用して、さらに、画像に注釈をつける基本的なマークアップツールを追加することができるかもしれない。

 こうしたステップに新しい点はないが、AppleはYosemiteで、一般的なプロセスを取り上げて、さらに便利に使えるように作り替えた。

「Mail Drop」では通常どおりファイルを添付できるが、送信時にはサービスプロバイダーを経由せずに「iCloud」にアップロードされる。
「Mail Drop」では通常どおりファイルを添付できるが、送信時にはサービスプロバイダーを経由せずに「iCloud」にアップロードされる。
提供:Screenshot by Jason Parker/CNET

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