Appleは競合相手のサムスンと法廷闘争を続けているが、別の訴訟における米連邦控訴裁判所の判断の影響を受ける可能性がある。
米連邦巡回区控訴裁判所は米国時間4月25日、AppleとGoogleのMotorola Mobility部門が争っている特許侵害訴訟における連邦判事の裁定を支持した。この裁定は2012年にイリノイ州北部地区米連邦地方裁判所のRichard Posner判事が下したもので、同判事は両社とも損害を証明できなかったとして訴訟を棄却していた。
Apple対Motorolaの訴訟には両社の複数の特許が関わっているが、特に注目すべきはクイックリンクに関するAppleの特許だ。Appleはこのクイックリンクの特許をMotorolaが侵害したとして訴えを起こしており、現在続いているサムスンとの訴訟でも、同じ特許が侵害されたと主張している。
Appleのクイックリンク特許(「'647特許」とも呼ばれる)は、クリック可能なデータの自動検出に関する技術を含むものだ。例えば、ユーザーが電話番号を記憶したりコピーアンドペーストしたりしなくても、番号をクリックするだけで電話機能に直接送信できるようになる。Appleの特許には、この動作を実行するための「分析サーバ」の使用も含まれている。
今回の決定は、カリフォルニア州サンノゼで行われている現在の訴訟に何らかの影響を与えるだろう。Appleは、サムスンがiPhoneの5つの特許を侵害していると主張し、20億ドルの損害賠償を求めている。一方のサムスンは、Appleが2つのソフトウェア特許を侵害しているとし、約700万ドルの賠償金を求めている。
特許関連のブログFoss Patentsによれば、クイックリンク特許はAppleにとって最も価値のある特許だと考えられていた。Appleがクイックリンクに関してMotorolaに対する差し止めを請求することは今でも可能だが、範囲は狭くなるだろう。したがって、Motorolaはこの特許を簡単に回避できるようになるとFoss Patentsは述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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