サムスン「Gear Fit」レビュー--フィットネス向け曲面ディスプレイ搭載スマートバンド - (page 4)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 石橋啓一郎2014年04月28日 07時30分

 筆者はGear Fitを使ってトレーニングを試してみたが、いいところと悪いところが入り混じった体験だった。サイクリングモードでは、エアバイクは使えない。不思議なことに、サイクリングモードではGPSの信号が必要であり、アクティビティの量を測る手段として、実際の移動距離を計測するため、GPSの信号が取れないジムの中では、このモードを起動することさえできなかった。また、もっとも興味深かったのはランニングモードだ。Gear Fitは心拍数に基づき、軽いバイブレーションの合図とともに、速度を上げる、下げる、あるいはペースを維持するなどの指示を出してくる。

 しかし、コーチングのモードでは実際にどれだけ走っているかは関係がなく、心拍数がすべてであるようだ。座った状態でも心拍数が高ければ、Gear Fitは現在のペースを維持するよう指示を出す。また、心拍数の計測値も常に正確ではなかったようだ。初めは、ルームランナーに付属している心拍計と、手首で計測した値は大きく違っていた(140bpmと70bpm)。20分後には、2つの数字はほぼ一致するようになり、例えばGear Fitで140bpmを示している時に、ルームランナーの数字が137bpmを示すという程度になった。


提供:Scott Stein/CNET

 ランニング中に簡単に心拍数を見られるのはよい点だが、Gear Fitのディスプレイは数秒間でオフになってしまうため、ずっと脇にある小さなボタンを探って押し続けなくてはならなかった。Gear Fitは手首を振るだけで自動的にオンになるはずなのだが、これはせいぜい2回に1回しかうまくいかなかった。

 それに加えて、通知が邪魔になることが多い。電話の着信、Facebookの更新、Twitterのメッセージなどの通知が来るたびに手首のデバイスが振動し、トレーニング用の画面の邪魔をする。バイブレーションが、速度アップや速度ダウンを意味するのか、誰かが筆者のツイートをお気に入りにしてくれたのかを判別することはできなかった。Gear Fitはこれだけ多くの機能を備えながら、デバイスで通知のオンとオフを切り替える機能も、邪魔をされない「トレーニングモード」に入る機能もない。これは、かなり大きな見落としのように思える。

 歩数計としては、Gear Fitはユーザーの歩数を数えており、常に歩数を表示しておけるタイプの文字盤も用意されている。画面上の小さなバッジが、目標の1万歩までの進捗状況を示し、達成するとゴールドに変わる。注意すべきなのは、歩数計の機能がオフになってしまうことがあり、歩数を記録できなかったことがあったということだ。他のフィットネスバンドでは、何が起ころうと記録は自動的に続いていた。

 エクササイズモードを利用しない場合、Gear Fitでできるのは安静時の心拍数の計測だけだ。この計測時には、少し動いただけでも、Gear Fitは安静にするようアドバイスを出してきた。安静時の心拍数を計測する機能は、WithingsのPulseやサムスンの「GALAXY S5」にもある。

 サムスンのGALAXY S5も心拍数モニタを持っており、歩数計も備えている。では、Gear Fitを買う意味はどこにあるのだろうか。Gear Fitはエクササイズモードでの継続的な計測が可能だが、これはGALAXY S5では行うことができない。また、Gear Fitはオフラインデバイスとしても使用でき、スマートフォンではできないような身に着け方ができる。しかし、スマートフォン本体と、技術的に言えば周辺機器であるGear Fitが同じ値段だというのには、ためらう人が多いだろう。


提供:Sarah Tew/CNET

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]