「Google Glass」--実際に使ってみて感じたこと - (page 2)

Zack Whittaker (ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2014年01月15日 07時45分

 良い点もあった。Google Glassは、先進国におけるスマートフォンユーザーのほとんどすべてにまん延している悪習を駆逐できるのである。

 あなたは1日に何回スマートフォンを引っ張り出して、メッセージの着信有無を確認しているだろうか?10回か20回くらい?いや30回くらい?実際のところは、もっと多いはずだ。

 退屈した時や、誰かを待っている時、気まずい状況をごまかす時、何かにチェックインしたり自らの現況を送信したい時など、ほとんど無意識に手が動いているはずだ。

 Google Glassの場合、必要なものは常に目の前に広がっている。常にそれらを意識できるわけだ。忘れてしまったり、何かにまぎれてしまうこともなく、知らない間に病みつきになってしまうのだ。いつでもジェスチャーや呼びかけで呼び出せるというだけでなく、文字通り常に存在感にあふれている。ユーザーの視野内や心の中に存在しているうえ、装着時には常にユーザーのこめかみを優しく押さえつけてもいる。

コンテンツの「まゆ」

 Google Glassには2つの物理的側面がある。1つはあなたが目にするプリズム式のディスプレイであり、もう1つは他の人が目にするあなたの姿である。他の人が画面をのぞき込めるスマートフォンとは異なり、Google Glassはユーザーの周囲に、自らのコンテンツとコミュニケーションでできあがった仮想世界の「まゆ」を作り出すのだ。

 このデバイスに指示を出す際には、秘書に話しかけるように、頭に装着されているデバイスに向かって声を上げるようになっているが、何かを指示するたびに毎回、「OK Glass」と呼びかける必要があるわけではない。Google Glassにはつるの部分にセンサが装備されており、タップやスワイプで指示を伝えることもできる。

 しかし、Google Glassに語りかけなければならない場合もある。最も多いのは、電子メールやテキストメッセージの内容だ。このため、プライバシーに関する懸念を払拭することはできない。ユーザーはコンテンツのまゆの中に入っているにもかかわらず、声に出したメッセージは周囲に筒抜けになってしまうのである。

 ユーザーのメッセージを復唱するためにも使われている骨伝導式スピーカーは、わずかではあるもののはっきりと分かる振動をこめかみ部分に直接与えるようになっている。その振動は大きすぎたり邪魔になったりするほどではないものの、音量的には不満が残り、ざわざわしている部屋では電話をかけてきた人の声や、テキストの読み上げが聞き取りにくいと感じられた。

 周囲の人にとっては、筆者は街中で独り言をつぶやいている人間にしか見えないはずだ。また、Google Glassを装着している人を目にしただけで、それができることを把握するのは難しいだろう。こういったデバイスがより小さく、より目立たなくなるにつれて、その能力に対する猜疑心が深まっていくのだ。

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