「Google Glass」--実際に使ってみて感じたこと - (page 3)

Zack Whittaker (ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2014年01月15日 07時45分

スマートフォンの相棒--これは(ほとんど)全部お見通しだ

 Google Glassが知らない数少ない情報の1つにあなたの名前がある。しかし、あなたの生活におけるよりプライベートなこと、例えばホリデーシーズンにロンドンに帰省するために、朝何時の飛行機を予約しているのかといったことを知っている。

 Google Glassを外出中に使用する場合、「Android」搭載スマートフォンや「iPhone」のデータ接続を利用するようになっているものの、個別にWi-Fiネットワークに接続する機能も用意されている。また、どういった接続形態を採るのかにかかわらず、すべてのデータはひも付けされているGoogleアカウントから取得される。このデバイスは電子メールのメッセージに書かれたフライトの時間や、現在地の天気、近場のお勧めレストランなどを知っているのである。

 Google Glassというデバイスは、スマートフォンの単なる拡張機器ではない。これは事実上のスマートフォンなのだ。

 スマートフォンには、その持ち主に関する大量のデータが格納されているものの、それによって驚かされたという経験はそう多くないだろう。あなたも自ら進んで電子メールアドレスやソーシャルネットワークのアカウント、連絡先といった情報をスマートフォンに登録しているはずだ。しかし、そういった情報が必要となる時、肝心のスマートフォンはポケットにしまわれていたり、手の中で遊んでいたりする。

 筆者は、自らのフライトに関する情報をGoogle Glassに登録した記憶などない。しかし、電子メールやソーシャルネットワークへの書き込みのどこかで言及したのだろう。Google Glassはその情報を押さえていた。われわれはスマートフォンにどれだけの情報を入力しているのかについて、しばしば忘れがちである。Google Glassとてその例外ではない。

 実際のところ、Google Glassは役立ちそうな際に「カード」を提示する「Google Now」という機能と緊密に連係している。この記事を執筆している朝、筆者は飛行機に搭乗する予定があるのを知っていたが、その便のターミナル情報と現在の離発着状況までもが魔法のように表示された。また、ターミナル内を歩いていると、コーヒーを飲める場所とケーキを購入できる場所が提示された。これは歩き回って時間をつぶす場所を探すというレベルを超えているわけではない。しかし、Google Glassを1週間使ってみると、スマートフォンが時代遅れなものに思えてきた。

 このウェアラブルテクノロジは、常に目に見えるところに装着するという点で、インターフェースがより身近なものに、そしてインタラクティブなものに感じられる。また、データがビジュアルなかたちになり、常に手元に存在し、必要な時に利用可能ともなる。

 あなたがクラウド内に実際にどれだけのデータを格納しているか(そしてそういったデータで何ができるか)という疑問の答えを、あなたの名前すら入力していない製品を開発している会社(あなたはその会社の名前を知っているかもしれないが)によってビジュアルなかたちで提示されるというのは今までになかった経験だ。これは、監視社会である事実がすっぱ抜かれた後で、恐ろしさを感じるしきい値が上がっている点を考慮したとしても、少し当惑するところだ。

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