日本には、ソーシャルダイエットサイトやアプリが結構あるが、ダイエット仲間を作り、励まし合う──といった部分でソーシャル性を取り入れているものが多い。米国では、28日間で体重の4%を落とせば掛け金がもらえるというダイエットゲームサイトも登場している。
しかし、筆者が最近、実際に利用して効果を上げたのは、カロリー計算をメインとする正統派のMyfitnesspal.comというサイトおよびアプリだ。数カ月前からジムのパーソナルトレーナーに、「お腹の贅肉をとるには、食事制限が不可欠。食事の履歴をつけるように」と、Myfitnesspalを使うように言われた。
朝昼晩の3食と間食に何を食べたかをネットで入力するのだが、検索してデータベースから選ぶようになっている。私は、エスニック料理を食べることが多いので、「平均的アメリカ人が食べるような物しか入っていないデータベースなんて、どうせ役に立たない」と思っていたのだが、タイ料理やベトナム料理、インドメーカーの冷凍食品、日本のアイスクリームやスナック菓子、コンビニのおにぎりまで搭載されている。たとえば豆腐であれば、日本、中国、韓国の主なメーカーブランドまで細かく掲載されている。ウォールマートを含む米国の主要スーパーのプライベートブランド商品や主要チェーンレストランの代表的な料理まで載っている。
データベースにない物は、自分で投稿することもでき、ユーザーらが投稿した商品も多々搭載されている。家庭で作る料理はレシピを作成でき、各材料を加えることでカロリーを計算できる。そのレシピをデータベースに掲載して、他のユーザーと共有することも可能である。つまり、「みんなで作ったデータベース」なのである。 Myfitnesspalの魅力として、350万近くあるデータベース搭載品目の豊富さとデータベースのパーソナライズのしやすさをあげるユーザーは多い。コンシューマー・レポートでも、DIYダイエット部門で、満足度1位に選ばれた。
4000万人以上にのぼるという登録ユーザーは、米国内だけではなく、海外にもかなりいるようで、データベースではカナダやオーストラリアの商品も見かけるし、単位はメートル表記の物の方が多い。Myfitnesspalでは、海外市場開拓を狙って、今年、英語のほか、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ポルトガル語にも対応をはじめた。
サイトで、自分の年齢、身長、体重、減量目標値を入れると、1日の摂取カロリー目標が表示される。食事以外に、運動量も入力でき、燃焼したカロリー分が目標カロリーに加えられ、その分、多く食べられるということになる。
さまざまな活動量計アプリとも連携し、FitBitやRunKeeperなどから燃焼カロリーのデータを自動的にアップロードできるようになっている。
掲示板では、ダイエットに励む他のユーザーと交流でき、また同じような目標を持つ人とオンラインでグループを作成することも可能だ。年齢別、地域別、ダイエットとは関係のない趣味のグループ、また日本に住む外国人のグループもある。
なお、サイト・アプリの利用は無料で、同社の収益モデルは広告収入である。2005年の創業以来、今年初めて、ベンチャーキャピタルからの資金調達を受けた。
筆者も、「4週間で3キロ」という減量目標には少々及ばなかったものの、2キロ以上、減量でき、満足している。摂取カロリーの計算が簡単にできるという点は非常にポイントが高く、何をどれくらい食べれば、どれくらいのカロリーかを把握できるようになり、長期の健康維持につながる。
社員の健康管理について、前編、後編と2回にわたって書いたが、会社や上司、同僚に、私生活まで管理され、仕事以外でも同僚らと競わされるのに抵抗を感じる人がいるのは、よくわかる。筆者自身、パーソナルトレーナーに食べる物まで監視されるのは息苦しいと感じた。しかし、やはり、強制や監視でもされないと、ダイエットなどは、なかなか達成できないのだと痛感した。
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