ソフトバンクが専門部署を立ち上げて挑むフォロワー数No.1の企業アカウント

加納恵 (編集部)2013年11月08日 13時04分
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 ソーシャルメディアの企画、分析、運営を手がける専門部署「ソーシャルメディア課」を立ち上げ、現在、Twitter、Facebook、LINE合計のフォロワー数No.1(10月17日取材時)の企業アカウントになっているソフトバンク。「SNSの戦略は地上戦と空中戦」とし、明確な役割分担と緻密な分析で「可視化された運営」を実現した同社のSNS戦略について、ソフトバンクモバイル マーケティング・コミュニケーション本部のWebコミュニケーション部部長の高橋宏祐氏、ソーシャルメディア課課長の亀田輝行氏、Web企画課の河合正憲氏に聞いた。

LINEは販売チャネルの一つ、徹底したシミュレーションで最大の効果を上げる

--2009年にTwitterの公式アカウントをスタートされ、当時としてはかなり早いSNSへの取り組みでしたね。

高橋:Twitterは早かったのですが、Facebookは2012年4月、LINEは2013年1月にスタートしました。LINEは現在フォロワー数が1020万人を超え、開始から半年で世界一になりました。“爆速”でフォロワー数世界一を実現できた背景には、派手なキャンペーンなど“空中戦”を展開する一方で、フォロワー数を着実に増やす“地上戦”を繰り広げる2通りの戦略が奏功しています。

 LINE、Facebook、Twitterと3つのSNSを利用していますが、現在最も力を入れているのはLINEです。ですからLINE施策の一環として空中戦を実施することが多いですね。

--まず、フォロワー数No.1を獲得したLINEの取り組みを教えていただけますか。

  • ソフトバンクモバイル マーケティング・コミュニケーション本部Webコミュニケーション部Web企画課の河合正憲氏

河合:LINEに関しては、SNSですが販売チャネルの一つとして捉えています。実はLINEのアカウントをスタートする前に、過去の営業で実施したキャンペーンや販売活動から蓄積されたデータを見て、これらをLINEで行うとどういったリターンが得られるのかを徹底的にシミュレーションしました。

 運営コストももちろんかけていますし、その運営コストをどこで回収できるか、各商戦期にはどれだけリターンが入ってくるのかをすべて計算しています。実際、LINEのフォロワー数は5月23日に世界一になりましたが、私どもの当初のシミュレーションだと一番早いペースで5月22日、遅いペースだと5月26日に世界一になると予測していました。

  • LINE登録数世界一までの推移

 これは5月14日から白戸家のお父さんのスタンプを配信開始して、スタンプ配信による新規フォロワーの増加、加えて他社さんの取り組みによる伸びなどを加味した結果導き出したもので、ほとんど誤差なく達成できました。

--フォロワー数は毎日レポートされているのですか。

河合:はい。LINEに限らず、Twitter、Facebookも毎日必ずチェックしています。その際他社のフォロワー数と施策もすべて把握しています。単純にフォロワー数が増えていくと予測しているわけではなくて、日々増えていくアカウントの中で、スタンプを出している企業の伸びを加味したり、LINE全体のユーザー数を見ながら、予測を立てています。

 例えばスタンプを配信している企業アカウントでは、毎日○万人ずつ増えているけれど、この後○万人に減って、10日後のフォロワー数は○万人程度だろうと予測がつきます。そこでこのペースだと弊社のアカウントのフォロワー数を追い抜きそうだな、と思えば施策を打ちます。わずか30分程度の作業時間ですが、毎日追っていることで、いつ仕掛けを打てばいいのかが早めにプラニングできます。

--フォロワー数を確保した上で、営業にはどう活用されているのでしょうか。

  • ソフトバンクのLINEページ

河合:一つは地方をターゲットにした告知としてLINEを活用しています。これはほかの企業アカウントが取り組んでいないチャレンジとして始めたことなのですが、地方のショップオープンをあえて全国規模で展開するLINEで告知しました。一見すると関係のない人に情報を配信しているように見えますが、3人に1人のお客様がLINEを見て来店されたという結果が得られました。LINEで告知することで営業担当のモチベーションも上がりますし、LINEの成功事例として社内から要望が次々と出てきています。

 一方、6月に実施したキャンペーン告知にもLINEを活用しました。携帯電話の需要は、一般的に6月は閑散期と言われますが、LINEで何度か告知をしたところ、その月のキャンペーン売上が前回時の数倍にも跳ね上がりました。このようにきちんと数字で表すことで、利益への貢献度を社内にもアピールできます。

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