シャープは、2014年3月期決算の上期(2013年4~9月)連結業績を発表した。売上高は前年同期比21.5%増の1兆3420億円、営業利益は前年同期の1688億円の赤字から338億円の黒字に転換。経常利益は1972億円の赤字から32億円の黒字。当期純損失は前年同期の3875億円の赤字から3832億円改善したものの、43億円の最終赤字となった。
売上高、営業利益、経常利益、最終利益ともに大幅に改善しており、すべてで9月18日の公表値を上回った。
第2四半期(7~9月)単独では、売上高は前年同期比13.7%増の7341億円、営業利益は308億円、経常利益は160億円、当期純利益は136億円。営業利益率は第1四半期の0.5%から、第2四半期には4.2%に改善。営業利益、経常利益、最終利益のすべてで黒字を達成した。
シャープ代表取締役社長の高橋興三氏は「営業利益は4四半期連続の黒字、最終利益も今回の四半期で黒字化した。2012年度第2四半期(2012年7~9月)をボトムに回復基調で推移。2013年度上期は、デジタル情報家電以外は全部門が前年同期に対して伸張。特に太陽電池やビジネスソリューション、液晶、電子デバイスが大幅増収を達成。全部門で営業黒字を達成している」と総括した。
「数字としては9月公表値からも上振れしているが、ほっと一息という状況にはない。まだまだ厳しい市場環境、財務状況には変わりない。新たなビジネスを生んでいかなくてはならない。手を緩めることなく、構造改革の取り組みを加速させ、通期純利益の黒字化に邁進する」(高橋氏)
2013年度上期の部門別業績は、プロダクトビジネスの売上高が前年同期比13.2%増の8212億円、営業利益は455億円増の363億円。そのうち、デジタル情報家電の売上高が1.2%減の3346億円、営業損失が22億円増の8億円となった。
液晶テレビは日本や中国、新興国での販売は伸張したが、欧州と米州が低迷。上期の販売金額は4.5%増の1940億円、販売台数は前年同期比5.3%減の369万台となった。
今後は70型、80型、90型モデルのラインアップ強化と、新興国などの重点地域でのローカルフィット商品の投入、4Kモデルの新製品強化に取り組む。ポーランドのテレビ工場については生産量を絞り込むといった方向で検討を開始していることを明らかにした。
携帯電話の販売金額は前年同期比11.0%減の875億円、販売台数は11.1%減の242万台となった。「海外の携帯電話メーカーとの競争が激化。今後もこの傾向は続くと見ているが、今後は高精細、低消費電力が生かせるIGZO液晶モデルの拡充などで国内シェアの奪回に向けた取り組みを一層強化する」(高橋氏)と述べた。
通期計画は550万台を据え置いているが、「iPhoneの影響がある。ドコモなどの動きがすべて見えていたわけではないが、8月に680万台から550万台に修正しており、これをさらに下回ることはない。秋冬モデルについては予想していた通りに推移している」と説明。「通信事業は重視している。スマホだけでなく、白物や自動車でも必要な技術。スマホ事業が厳しいからという理由で撤退することは考えてない」
プロダクトビジネスのうち、健康・環境の売上高は前年同期比3.2%増の1598億円、営業利益が76億円減の96億円。エアコンと冷蔵庫の販売が堅調に推移しているが、円安の影響で海外生産品の輸入が多い国内白物家電事業の採算性が悪化したという。今後も損益面での厳しい状況が続くと見ているが、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域を最重点地域とした海外事業の拡大、インドネシア工場の生産能力増強、地産地消の推進強化による為替影響の極小化を図るという。
太陽電池の売上高は前年同期比80.8%増の1682億円、営業利益は222億円改善の98億円。国内市場で住宅用や大規模太陽光発電所(メガソーラー)向けなどの産業用が伸張した。
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