シャープ、4~9月期は営業利益と経常利益が黒字--追加リストラは考えていない - (page 2)

 今後は、底堅い国内需要の販売拡大による販売拡大と収益確保を目指す考え。住宅用ではさまざまな屋根形状に対応した商品ラインアップの拡充、営業販売活動の強化、家庭エネルギー管理システム(HEMS)や蓄電池を含めたシステム販売の拡大に取り組む。産業用では、商品供給と施工体制を強化して着実な完工、売上拡大、設計と営業を強化してメガソーラー案件の獲得、海外向けではエネルギーソリューション事業、ディペロッパー事業の拡大に取り組む。

 ビジネスソリューションの売上高は前年同期比14.0%増の1584億円、営業利益は89億円増の159億円となった。国内外でカラー複合機が好調に推移。海外ではインフォメーションディスプレイが伸張した。今後は、先進国での高速機の販売拡大、新興国でのカラー機シフト、複合機とディスプレイの連携提案による新規顧客開拓、パッケージ商材でのビジネスソリューション提案を強化していく。

年間で最終黒字化を目指す

 デバイスビジネスの売上高は前年同期比26.7%増の6264億円、営業利益は1532億円改善の139億円。そのうち、液晶の売上高が前年同期比30.0%増の4785億円、営業利益は1242億円改善し86億円の黒字となった。

 液晶は、2012年度上期(2012年4~9月)に大型液晶工場の稼働調整、在庫の適正化を図ったこと、大手ユーザーからの中小型液晶の受注ズレ込みで多額の赤字を計上したが、2013年上期は大型液晶の外販が好調に推移、スマートフォン、タブレット向け需要が増加した。中小型液晶の販売も増加した。戦略的アライアンスの効果もあり、亀山第2工場の稼働率が計画通りに進捗した。

 高橋氏は「5月に発表した中期経営計画では、7~9月には亀山第2工場での中小型液晶の比率は20%としていたが、現状は15%程度。2~3カ月の遅れがある。これは先方の問題であり、当社の製品に問題があるというものではないと理解している。これは徐々に上がっていくいく」と語った。


シャープ 代表取締役 専務執行役員 コーポレート統括本部長 大西徹夫氏

 「テレビ用では堺工場は60型以上のパネルを生産し、8~9割の稼働率となっており、安定している。亀山第2工場は、32型の市場価格が下落している。原価割れはしていないが、今後落ちていくことが想定される。32型の軟調さを乗り切るために、中小型液晶の増加、32型以外のサイズへの展開、4K2Kやクアトロンプロなどの付加価値パネルの販売増加に取り組む」(シャープ 代表取締役 専務執行役員 コーポレート統括本部長 大西徹夫氏)

 第2四半期は、大型液晶と中小型液晶の売上構成比は5割ずつ。ともに黒字化しているという。今後は新規ユーザーへのデザインインの着実な推進、取引拡大による売上高と収益の安定化を進めていく。中小型液晶ではIGZOによる高精細、低消費電力パネルへシフト、テレビ用液晶では需給動向を注視しながら生産や販売、在庫の効率化、適正化を推進する。

 電子デバイスの売上高は前年同期比17.0%増の1478億円、営業利益は290億円増の52億円の黒字となった。モバイル機器向けカメラモジュールの販売が好調に推移。今後は顧客層の拡大に取り組むほか、監視や車載、医療の各分野に対するセンシングデバイスの販売を強化、光センサやタッチパネル、パワーデバイスなどの特徴を持ったシステムデバイスの販売を強化、LEDなどのライティングデバイスの販売強化に取り組む。

 2013年度の業績予想については、8月1日の公表値を据え置き、年間での最終黒字化を目指す。「今後の進捗状況と市場動向を見極め、修正が必要となった段階で速やかに公表を行う」(高橋氏)

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