この比喩は完璧ではないかもしれないが、Amazonの新型「Kindle Paperwhite」は、電子書籍リーダーの「iPhone 5s」だと考えればいいかもしれない。初代Paperwhiteとほとんど同じものに見えるが、応答性がよくなり改善されている。
まず、この新型Paperwhiteは、よりコントラストが高くなったE Inkの「Pearl」ディスプレイを搭載する最初の製品であり、1GHzのプロセッサ(初代Paperwhiteの800MHzよりも25%高速になっている)と、新世代のバックライト、より応答性が高くタッチグリッドが19%小さくなったタッチスクリーンディスプレイ(解像度は1024×768ピクセルで212ppi)を備えている。また重さも、7.5オンス(213g)から7.3オンス(206g)になり、わずかに軽くなった。
初代と新型の外見は同じに見えるが(背面のKindleロゴは、Amazonのロゴに変わった)、最初に気がつく違いは、以前はやや青みがかっていたディスプレイが、より白くなったことだ。また、バックライトもより均一になった(さらに、明るさが最大の状態では、より明るくなっている)。
初代Paperwhiteでは、バックライト使用時、特に夜には画面下部にややムラが見えた。バックライトは以前よりずっと均等に画面を照らすようになっており、画面下部と他の部分の差は大きく減った。
初代と横に並べて比較してみると、以前のPaperwhiteのディスプレイは、青みがかったムラがあってややくすんでおり、グレーに見えるのが分かる。Amazonの公式な紹介では、「白はより白く、黒はより黒く、ページは本物の本とほとんど見分けが付かなくなった」とある。筆者はそこまでではないとは思うが、画面と読書体験が改善され、より印刷された本に近づいたことは確かだ。
Amazonは、明るさは最大でなくてもいいが、バックライトを付けて読むことを推奨している。明るさは簡単に調整できるが、「Kobo Aura」のように、明るさ調節のための専用の物理ボタンがあるわけではないことは、指摘しておいた方がよいだろう。バックライトの明るさ調整または消灯には、画面に表示されるスライダーを使用する。
もちろん、十分な自然光がある場合(あるいは直射日光の下で読む場合)には、バックライトを使うのを好まない人もいる。バックライトを消灯すると、初代Paperwhiteとこの新型の違いは、ほとんど分からなくなる。米CNETのDavid Katzmaier記者も筆者も、バックライトを消灯した状態では、テキストは若干シャープに見えるように感じた。ホームビデオに詳しいKatzmaier記者は、普段は現在生産中止になっている2011年版のKindle Touchを使用しているが、2012年に発売された初代Paperwhiteの、やや欠陥のあるバックライトが好きではなかったという。しかし今選ぶとすれば、現在使っているKindleや、69ドルの廉価版Kindle(タッチスクリーンもバックライトもない)よりも、新型Paperwhiteを選ぶと述べている。
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