テレビ局にとっては非常に残念なことだが、それは、多くのテレビ番組が測定困難な方法で視聴されていることを意味する。テレビ局は視聴率をマーケッターに提示して、できるだけ高い料金を設定しようとする。
しかしChromecastのような製品は、テレビ以外のデバイスで視聴されている番組を昔のようにテレビで見ることを容易にする。また、視聴者が利用するデバイスが即座に2倍になるため、視聴者が広告を見る機会も倍増する。
「マーケッターは、セカンドスクリーンの利用の摩擦を減らすものは何でも歓迎だ。消費者の胸中では、『iPad』で視聴している番組を大した手間をかけずにテレビで見たいという要求が鬱積している可能性もある」。WedbushのアナリストであるJames Dix氏はこのように述べた。
Chromecastがどれだけの人気を得られるかを決定する主な要素の1つは、同デバイスからテレビにストリーミングできるサービスだ。Chromecastはさしあたって、Netflix、YouTube、「Google Play Movies & TV」「Google Play Music」のコンテンツを、接続したテレビにストリーミングすることができ、近いうちにPandoraなどのサービスのサポートも追加される予定だ。
ストリーミングコンテンツの品揃えは、Apple TVやRokuで視聴可能なチャンネルに比べると見劣りする。Apple TVとRokuでは、Netflixと「Amazon Prime Instant Video」「Hulu Plus」の次に強力な映画とテレビのストリーミングオプションを利用できる。両製品は、極めて重要なライブスポーツのカテゴリでもさまざまなオプションを提供しており、「MLB.TV」のようなオプションも備える。さらに、「HBO GO」のような最高級のプレミアムコンテンツも提供できる。
ChromecastがNetflixやYouTube、さらにはPandoraと互換性を持っていることは重要だが、ChromecastはノートPCやPCのChromeウェブブラウザのあらゆるタブのコンテンツをストリームすることもできる。この機能は、提携が確定するまで、ユーザーがお気に入りのオンラインエンターテインメントを視聴するための次善策となるかもしれない。
しかし、Google TVが過去にHuluのような外部動画サービス、さらにはABCやCBS、NBC、Fox、Comedy Centralなどの主要コンテンツプロバイダーにブロックされたことは、よい前兆ではない。
Chromecastには疑問点も少なくないが、大ヒットとなる可能性に関して明らかによい前兆が1つある。それは即座に需要が発生したことだ。発表から1時間もたたないうちに、GoogleのオンラインストアではChromecastの最初の在庫が完売し、「近日入荷」と表示されるようになった。AmazonではChromecastの次回入荷時期が最長1カ月後となっている。Googleの出荷時期は8月だ。
現在の状況が、未購入者はChromecastを買えるようになるまでしばらく待たなければならないということを意味しているのなら、Googleはそれらの疑問に答えるまでの猶予期間をいくらか得ることになるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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