Googleは米国時間7月24日にサンフランシスコで開催されたイベントにおいて、当初の予想より数カ月遅れで「Android」の新しいバージョンをついに公開した。このほとんど変化していない「Android 4.3」は、期待されていたような大きな前進ではないが、特にそのパフォーマンスの向上と、新しい制限付きプロファイル機能については注目に値する。
正式にはAndroid 4.3はまだ「Jelly Bean」のバージョンの1つで、その変化が小規模であることを考えればこれは当然だと言える。しかし言うまでもなくこの点は、5月のGoogle I/O以来「Key Lime Pie」を待ち望んできたAndroidファンをがっかりさせることになるかもしれない。
Android 4.3は、大部分ではその先行バージョンに非常に良く似ている。ホーム画面やアプリドロワーの全般的な構成は同じに見えるし、「Google Now」や検索機能、通知機能はすべてなじみのあるものだ。とはいえアップデートされたJelly Beanには、じっくり見ていく価値のある重要な機能がいくつか追加されている。
Android 4.3での最大の追加機能は、複数ユーザー対応の制限付きプロファイル機能だ。これによって、アプリやほかのコンテンツの利用をユーザーレベルで管理できる。複数ユーザープロファイルは「Android 4.2.2」から既に利用できたが、制限を設定する機能は長い間求められてきたものなので、これが大きなヒットであることは確かだ。
新しいプロファイル制御機能のメリットを受けることが一番明らかなのは親たちだ。このことはGoogleのデモでも紹介された。制限対象のユーザープロファイルにログインすると、アプリは違った動作を示した。特にフリーミアムゲームは、アプリ内購入機能がすべて無効になった状態で表示されていた。この機能が、端末を使う小さな子どもを持つ親たちにとって便利であることは明白だ。
同様に、タブレットをカスタマーサービス用やPOSシステムとして使う商店では、この機能を活用できるようになるだろう。複数ユーザープロファイルを有効にすれば、商店などはタブレットをさまざまな状況で使うことによって、その多様性を生かせるようになる。
プライマリユーザーの設定画面では、スライドバーを使うことで、制限対象のアカウントのアクセスを簡単に設定できる。さらに上記で述べたようなゲームなど、アプリ内制限が可能なアプリであれば、その隣に追加オプション用のボタンが表示される。
制限付きプロファイルを採用することで、Googleがより多くのユーザー(特に親たちと企業)を、まだユーザープロファイル機能が全くない「iOS」から引き離そうとしていることは明らかだ。同時にこの機能によって、開発者たちは今後アプリ内制限を導入できるようになり、さまざまな可能性が開かれることになる。
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