カカオジャパンは6月20日、スタンプラリー型のキャンペーンを実現するスマートフォン向けアプリ「Stac」の提供を開始した。iOSおよびAndroidに対応する。ダウンロードは無料。性別と生年月のみの登録で利用できる。
Stacは、電通の開発した音声認識技術「Click AD」を利用することで、音声を利用したスタンプラリー型のキャンペーンを行える。指定された音声が流れる場所(スタンプスポット)でアプリを起動すれば、自動的にスタンプがアプリに貯められる。貯まったスタンプはキャンペーン毎の様々な特典に交換できる。また音声認識以外にも、QRコードの読み込み、シリアルコードの入力などにも対応する。
音声は、通常の音声に可聴域もしくは非可聴域の周波数の音声を追加する「音声透かし」、特定の音声フレーズとマッチングする「フレーズマッチ」の2つの方法で認識する。周囲の雑音がある環境などでは、音声透かしのほうが精度が高いが、今後実証実験を通じて精度を高めていくという。
カカオジャパン代表取締役の朴且鎭氏は、2012年12月時点で7000万ユーザーを達成した「カカオトーク」について、「狙ってここまでやっていないので奇跡とも言える」と語った。一方で、「モバイル向けのメッセンジャーサービスでカバーできていないコミュニケーション領域が増えてきている」と説明。挑戦したいビジネスに対してメッセンジャーサービスだけでは対応できない状況だとした。
そういった思いから、毎日使う、目的の明確なサービスの必要性を意識し、Stacを開発したという。「(Stacを)入り口にして、いろんなサービスにつなげていける」(朴氏)
まずは大手企業の利用を想定する。「全国のユーザーが自身の生活動線上で利用できることを考えた。なのでまずはコンビニエンスストアと組んだ。アプリをダウンロードしても首都圏でないと参加できない、ということを危惧した。ユーザーが集まれば、そこから個別店舗に広げたい」(サービス責任者であるカカオジャパンの林啓太氏)。通常のキャンペーンは、アプリに情報が随時配信されるが、特定の音声を認識しないとアプリ内に情報が配信されないというクローズドなキャンペーンも展開できるため、「実際に来店したユーザーに限定したキャンペーン」なども開催可能だ。
現時点ではカカオジャパンが営業を担当するが、今後は代理店と組んで営業体制を強化する。また、ヤフーの広告商品との連携についても検討していくという。
Stacを利用したキャンペーンの第1弾として、6月20日~7月3日の期間、全国のローソンで「あきこロイドちゃん presents 青いコンビニで豆大福をもらおう!」を開始する。7月5日からは、福岡ソフトバンクホークスと、球場でスタンプを集めることで特典を得られるキャンペーンを展開する。
そのほか、電車の車内アナウンスや東京・渋谷の大型ビジョン、デジタルサイネージを使った実証実験などをパス・コミュニケーションズ、凸版印刷などと展開していくという。
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