特筆すべきは、高い解像度の液晶を搭載していること。11.6型で1920×1080ドットの液晶を搭載する機種は世の中に多く存在しているが、それらはいずれもタブレット兼用モデルで、例えばソニーであればVAIO Duo 11のようなマシンだ。
しかし、11.6型の高解像度液晶は、タブレットPCではなく、クラムシェル型の普通の形のノートPCに組み込まれることを待ち望んでいた人は多いはずだ。
使ってみると、今までノートPCを使う際に感じていた画面解像度が低いという不満は全く感じられない。11.6型で1920×1080ドットは細かすぎると心配していたが、少し使って慣れてしまえば気にならない。むしろ13.3型の画面が粗く感じてしまうほどだ。それでも11.6は小さすぎるという人は、13.3型のVAIO Pro 13を選べば良いだろう。
発色に関してもグレア液晶のため引き締まった鮮やかな色を再現している。気になる映り込みだが、皆無とは言わないが、いやなギラ付きがなく実用レベル。VAIO Duoシリーズと違い、液晶の角度を変えられるので電灯が映っていれば角度を変えて回避することもできる。
また、視野角の広いIPS液晶を採用しているが、省電力のためにバックライトの光の方向を正面に集中させる仕組みを持っているため、角度を付けると若干暗く見えるように感じる。小さな画面のモバイル機ならば、大勢で画面で覗きこむこともないため、これで困ることはないだろう。むしろ、画面の盗み見が心配になり、フィルタを貼るような使い方ならなおさら問題ない。
VAIO Pro 11および13は基本的にタッチパネル装備だが、非搭載も選ぶことができる。11.6型の場合、タッチパネルありが870gに対してタッチパネルなしは770gとさらに軽くなる。
薄型軽量モデルとなると心配されるのがキーボードのでき具合だ。薄さを追求するあまり、実用性が疑問なキーボードを搭載する機種もある中で、VAIO Proのキーボードは及第点。ストロークは1.4mmで、打鍵感のある感触と適度な跳ね返りの強さを持っている。
VAIO Pro 11と13キーピッチは異なるが、どちらも慣れを要することなくすっと打つことができた。実測では11の左右が17mm、上下が16.5mm、13の左右が19mm上下が18.5mmとほぼ正方形であるからだろう。コンパクト機にありがちな右端のキーが変則サイズになる点については、11は[¥|]キーだけ幅が狭くなっている程度、13は完全に均等なので不満に感じる人は少ないだろう。
キーはバックライト付きで、暗闇でもキーが判別できる。しかし、LEDの光の光り方が均一ではないため、輝度ムラがあってキートップの文字が読みにくい。正面なら気にならないが、斜め手前からだと光漏れがあって余計に見えにくくなる。
タッチパッドは最近の全体的な傾向だが、フラットで右に寄っている。このため、タッチタイプする際右手の手のひらが当たってしまう。試用中はパッドの誤タッチのキャンセラーがうまく働いているためか意図しないタッチが発生することはなかったが、少し気になる点である。タッチタイプしない人には問題ないのかもしれないが、文章打ち込みの多い使い方では、パッドは中央にあって適度なサイズのほうが誤操作がなく快適に利用できるはずだ。
なお、タッチパッドにはNFCが埋め込まれている。現在、NFCでなければならない使い方はあまりないが、将来、活用の場が広がるはずだ。
何もないすっきりとしたデザインが特徴のVAIO Pro。裏面に関してもほとんどフラットなのだが、左右に1つずつの穴と、中央に小さな端子のフタがある。これは、拡張シートバッテリの装着用で、バッテリ駆動時間を伸ばすことができる。
今回は試用できなかったが、バッテリはVAIO Pro 11および13に共通。バッテリ駆動時間は約2倍になるとのことだ。
またACアダプタは低い電圧の10.5Vタイプで、給電用のUSBポートもある便利なタイプ。ここに装着できる小型無線LANルータ「VGP-WAR100」も用意されており、出張先のホテルで無線LANを使いたい場合に一体で持ち運ぶことができる。
インターフェースはUSB 3.0が2ポートとHDMI、ヘッドホンジャックがある。VAIO Proの前進となったと思われるVAIO TやVAIO ZがアナログVGAや有線LANインターフェースを搭載していたことから比べると、インターフェースは若干のグレードダウン。無線LANは試用したマシンではインテル Wireless-N 7260を搭載していた。
また、SDメモリーカードスロットをよく見るとメモリースティックのマークがない。VAIO Duoシリーズと異なり、VAIO Proにはメモリースティックが非対応となったことも注目だ。
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