(編集部注:この記事は、6月3日に公開された「インテルの次世代クアッドコアプロセッサ「Haswell」--性能を比較」に未翻訳部分を追加し、一部を編集して公開しています)
もはや毎年の儀式となっていることだが、Intelの新世代プロセッサのハイエンドモデルが、台北で開催中のComputexトレードショーで発表されている。これには、Intelが第4世代「Core i」シリーズと呼ぶプロセッサ群のクアッドコアバージョンが含まれる。第4世代Core iシリーズは、最近まで「Haswell」という開発コード名で知られていたもので、CES 2013で大々的に先行紹介された。
一般に、クアッドコアCPUはハイエンドのデスクトップPCやノートPCに搭載されており、Intelの「Core i7」CPUシリーズにもクアッドコアバージョンがある。メインストリームPCの大半に採用されているのはデュアルコアCPUの「Core i3」や「Core i5」で、それらのHaswellバージョンも今後登場する予定だ。
このことは、ノートPCやデスクトップPCの購入を検討しているユーザーにとっては、2013年夏以降に購入する一部のPCに第4世代のチップが搭載されることを意味するが、それらの新しいCPUの名前は前世代と同じCore i3/i5/i7シリーズのままとなる。さらに混乱を招く可能性があるのは、Intel CPUの現行世代(前世代もだが)はウェブサーフィンやHD動画再生、ソーシャルネットワーキング、オフィス業務、電子メールといった日常的な作業を処理するのに十分すぎる性能を備えているということだ。そのため、アップグレードすべき理由はあるのか、という疑問が浮かぶのも無理はない。
アプリケーションパフォーマンスの高速化に加えて、Intelはバッテリ持続時間の延長や統合グラフィックスの大幅な改善、「Wireless Display」などの特別な機能を宣伝している。それらはすべて、一般的なPC購入者にとって、基本的なアプリケーションパフォーマンスより重要なものかもしれない。Intelの主張によれば、第4世代Core iシリーズを搭載したノートPCは、第3世代Core iシリーズのシステムよりバッテリ持続時間が50%長くなる可能性があり、Intelが実施したCore i7同士の比較テストではバッテリ持続時間が6時間から9.1時間に伸びたという。
われわれが初めて入手した第4世代Core iシリーズ(Haswell)搭載ハードウェアは、Falcon Northwestの小型フォームファクタの「Fragbox」ゲーミングデスクトップと、Razerの新しいゲーミングノートPC「Blade 14」だった。つまりこれらのテストからは、Intelの新しい統合グラフィックスソリューションについて、それほど多くの情報は得られないということだ。同ソリューションは、一部のシステムでは「HD 5000」(現行世代は「HD 4000」)、ハイエンドのノートPCでは「Iris」と呼ばれる。現行のHD 4000グラフィックスでも多くの新作ゲームや人気ゲームを十分に動かすことができない。また、グラフィックスカードを別途用意しなくてもそれらを処理できるグラフィックス性能は、多くのノートPC購入者がずっと前から求めてきたものだ。
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