高速無線通信のためのインフラが整っていない地域でインターネットを普及させるにはどうすればよいだろうか?答えはもちろん、飛行している物体からWi-Fi電波を照射するというものになる。
Wiredによると、Googleはサハラ砂漠以南のアフリカや東南アジアの国々などに存在する人里離れた場所に、気球や飛行船を利用した無線ネットワークを構築すべく取り組んでいるという。
同サイトは「高高度プラットフォーム」と名付けられたこういった仕組みにより、世界中でおよそ10億人が新たにインターネットに接続できるようになると伝えている。また飛行船の電波は、数百平方マイル(100平方マイルは約260平方km)の地域にいる人々に届くという。
The Wall Street Journal(WSJ)が先週報じたところによると、Googleはアフリカやアジアで携帯電話通信事業に参入し、より多くの人がインターネットに接続できるよう取り組んでいるという。WSJは匿名の情報筋の話を引用し、携帯電話サービスが限定的な、あるいは提供されていない大都市圏外の地域でこういったネットワークが利用可能になると伝えている。
WSJによると、GoogleはWi-Fi飛行船に取り組むだけではなく、他の無線周波数をテストするとともに、人工衛星を利用した無線システムも検討しているという。ある匿名情報筋はWSJに対して「すべての問題を解決する万能のテクノロジというものは存在しない」と語ったという。
Googleは、かなり前から高高度プラットフォームに取り組んでいたようだ。同社は2000年に、「通信システムの信頼性を向上」させる「航空宇宙機」の開発を含む「高高度プラットフォームの制御システム」という特許を出願している。
飛行船や気球を用いた通信ネットワークの構築に取り組んでいるのはGoogleだけではない。Lockheed MartinやGlobeTel Communicationsもそういったアイデアに取り組んできている。また、Space Dataという企業は、「SkySite Platform」という、高高度気球に通信装置を搭載したプラットフォームを無線基地局として使用するネットワークを既に運用している。
米CNETはGoogleにコメントを求めたものの、本稿執筆時点では回答が得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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