プライバシー上の懸念について米連邦議会議員がGoogleに質問状を送付するなど、議論を呼んでいる「Google Glass」向けに、サンフランシスコの新興企業が顔認識用のアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を準備している。
Lambda Labsが開発する「Google Glass Face Recognition API」は、今週にも開発者向けに公開される予定だと、TechCrunchがLambda Labsの共同創設者Stephen Balaban氏の発言として報じている。
Lambda Labsは2012年にオープンソースの顔認識APIを公開しており、すでに1000の開発者や大手企業が利用しているという。
Google Glass用アプリはこのAPIをベースにしたものになる。同アプリを使えば、群衆の中の顔を認識したり、会った相手の顔データを保存したりできる。人の名前や顔を覚えるのが苦手な人にはありがたいが、プライバシーを懸念する人にとってはあまりありがたくない話だ。
このアプリは記憶を助けるだけでなく、自分と同じ興味や関心を持つ人を見つけ出すことにも使える。会合で出席者の顔を調べて、「交流会で共通の関心を持つ人を表示する」といったことができる。さらに、物体を認識する機能も備えるという。
こうした機能が、Google Glassで写真を撮り、それをリモートサーバーに送って問い合わせるという形ではなく、リアルタイムで動作するのかどうかはわかっていない。また、Googleが顔認識アプリを許可するのかどうかも不明だ。
「これはGoogle Glass向けの初の顔認識ツールキットであるため、Googleやプライバシーを懸念する議員らがどのような反応を示すかは全くわからない」というBalaban氏のコメントをTechCrunchは伝えている。
しかし、Google Glassの広報担当者は米CNETの取材に対し、Googleのアプリケーションストアで顔認識アプリを許可する予定はないと述べている。
また、The New York Timesの記事では、Google Glassの製品管理担当ディレクターを務めるSteve Lee氏が次のようにコメントしている。「一貫して述べているように、強力なプライバシー保護策を講じられない限り、われわれが自社サービスに新たに顔認識機能を追加することはない」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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