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IVS 2013 Spring

「経営チーム、どうやって作った?」--グリー、サイバー、ミクシィの本音

岩本有平 (編集部)2013年05月24日 19時13分
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 創業メンバーが今も経営を務めるグリー、独自の人材制度で経営陣を定期的に交代させるサイバーエージェント、経営陣を一新するミクシィ。三者三様のスタイルでビジネスを進めている3社が、経営者向け招待制イベント「Infinity Ventures Summit(IVS) 2013 Spring」に登壇。それぞれの視点で「強い経営チームを創る」というテーマについて語った。

 登壇したのはグリー代表取締役社長の田中良和氏、グリー取締役 執行役員副社長の山岸広太郎氏、サイバーエージェント取締役副社長の日高祐介氏、サイバーエージェント取締役人事本部長の曽山哲人氏、ミクシィ取締役 執行役員 経営推進本部長の荻野泰弘氏、ミクシィ執行役員 クロスファンクション室長の川崎裕一氏。モデレーターはプロノバ代表取締役社長の岡島悦子氏が務めた。

 同セッションは開始時間前に満席になったほか、経営者から真剣な質問が投げられるなど非常に白熱したものとなった。


プロノバ代表取締役社長の岡島悦子氏

社外取締役の重要性を説くグリー

岡島氏:グリーは創業メンバー(田中氏、山岸氏、取締役CTOの藤本真樹氏)がずっと変わらず、3人体制でやっている。急成する中で経営陣が入れ替わらなかったのは、経営陣自身が成長しているということか。

田中氏:ラリー・ペイジもマーク・ザッカーバーグも、創業者で本人が経営しているし、ジェリー・ヤンやマイケル・デルのように、創業者が辞めて会社がまずい状態になることもある。

 本人も会社も同じ速度で成長できればいい。私は楽天にいたが、三木谷さん(楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏)はそうだと思うし、自分もそうなれたらと思う。


グリー代表取締役社長の田中良和氏

 中核の事業は5人の取締役メンバーで見ているが、直接マネジメントしているのは15人くらい。その2つのチームでやってる。創業者で大株主で社長、となると、取締役会全体を自分でコントロールしかねない。そのため、関係者を増やしている。ここ(5人の取締役)に出てない人は増えている。

山岸氏:社外取締役としては、以前はKDDIの方、今は夏野さん(元NTTドコモ執行役員で慶應義塾大学政策・メディア研究科特別招聘教授の夏野剛氏)、飯島さん(元フジテレビジョン常務取締役でサンケイビル代表取締役社長の飯島一暢氏)が入っているほか、監査役も弁護士の方などがいる。取締役会は“ガチンコ”で否決されたりする。もちろん監査役は投票権がないが、「ガバナンス的にどうか」といった話をしっかり聞ける。

田中氏;社外の役員が機能している。これはおすすめだ。数千、数万人規模の会社で働いた人たちと働ける場はあまりない。それ自体が貴重だ。


グリー取締役 執行役員副社長の山岸広太郎氏

山岸氏:ここ2〜3年で会社が拡大し、求められるマネジメントのスタイルも変わった。常勤監査役に元パナソニックの監査役の方に来て頂いたり、広報なども顧問をお願いしている。65歳くらいまで日本の製造業で経営にいた人たちは違う業界でもすごい。業界は違うが、経営として普遍的なことは一緒だ。

岡島氏:いい社外取締役は大事。だがすごい微妙なところもある。ブレーキを踏むだけのオヤジだとまずいがどう気を付けているのか。

田中氏:過半数を超えるとブレーキを踏まれるが、過半数以下なら精神的なストッパーになってくれ、バランスを取れる。


サイバーエージェント取締役副社長の日高祐介氏

岡島氏:意地悪な言い方をすると、「成長がすべて癒やす」と思っている。急成長をしていると、経営陣を入れ替える気持ちはないのか。

田中氏:気持ちは常々ある。だが同時に、拡大する企業は基本的にマネジメントをできる人の数が圧倒的に少ない。規模が一定なままなら入れ替えていいが、人を追加する中でどうするかが重要だ。

独自の制度で文化を作るサイバーエージェント

岡島氏:サイバーエージェントはどうやってきたのか。

日高氏:我々のビジョンは「21世紀を代表する会社を作る」。これを決めたたのは2003年くらい。もともと藤田(サイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏)が「大きい会社、すごい会社を作ろう」としていたが、決まった言葉がなかった。

 そして上場して200億円を調達して、急激な採用をやって、その後数多くの失敗をして、という中で「CA8(サイバーエージェントの人事制度:取締役を8名と定め、2年毎に原則1〜3名の取締役を入れ替える)」に代表されるような制度ができた。

曽山氏:もともと若手の抜てきなど、人事については重視してきた。だがCA8での役員交代の成果が一番大きい。実施以前に社内のクレームは「上が詰まっている」ということだった。肌感覚はずっとあったので、経営陣が変わることで自分たちも変わる、と決めていった。

岡島氏:取締役はどうやって決めているのか。

日高氏:藤田の一任で(笑)。人事も福利厚生も「自分で決めよう」と藤田が言っている。得意なこと、苦手なことも考えて、プラスマイナスでプラスのほうがが大きいと考えればやろうと。CA8はマイナスな面もあるだろうが、プラスの面が圧倒的にあると考えている。

岡島氏:入れ替えるにも母集団が必要だ。そこの仕組みが重要ではないか。

曽山氏:若手の抜てきはやっていかないといけない。藤田と日高が23歳くらいで起業したので、その年齢から2人以上のことをさせないといけない。新卒入社組の社長も40人いる。

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