(編集部注:米CNETによる「GALAXY S4」のレビューを前編と後編の2回に分けて翻訳して公開します。後編は5月16日の公開を予定しています)
サムスンはこの「GALAXY S4」で、世界のスマートフォン市場を支配するという目標を達成しようとしている。「Android 4.2」(開発コード名:「Jelly Bean」)を搭載したこのデバイスは、驚異の「HTC One」や粋な「iPhone 5」と比較すると、デザイン的にはおもちゃのように見えるかもしれない。しかし全体を総合すれば、高速なクアッドコアプロセッサ、カラフルな5インチHD画面、シャープな画像が撮影できる13メガピクセルのカメラ、大量の付属ソフトウェアなどを搭載したGALAXY S4は、世界最強のスーパースマートフォンに仕上がっている。
では、GALAXY S4は何を備えているのだろうか。あるいは、こう言った方がいいかもしれない。GALAXY S4に欠けているのは何だろうか。このマシンには、1080pの画面、ゲームには理想的な高い処理速度、テレビを操作できる赤外線ブラスタを備えている。また撮影機能も、1つのシーンに動きのあるショットを収めるモード、前面と背面のカメラを同時に使うモード、スローモーションでの動画撮影など多彩だ。GALAXY S4はユーザーの目の動きを利用して動画を一時停止させたり、手を振るだけで電話に出たりすることもできる。HTC OneやiPhone 5とは違い、ストレージの拡張も、バッテリの取り外しも可能だ。
確かに、GALAXY S4の機能の多くは、必要不可欠なものではない。また、カメラのEraserモード(筆者はうまく使えたことがない)、うまく動かない光学読み取り機能、Google翻訳の機能の単なるコピーである翻訳ツールなど、入っている機能の多くは、特に便利でもない。どの機能を取っても、絶対に欲しいわけでも、それなしでは生きられないわけでもないが、これらの機能が積み重なって、GALAXY S4を頭一つ抜きんでた存在にしている。
従って、もしAndroidの核になる機能以外に余分なものを持たない、優れた作りのスマートフォンが欲しいなら、HTC Oneを買うべきだろう。HTC Oneなら、同じ値段で内蔵ストレージは倍だ。しかし、機能面で他の端末をすべて上回るスーパースマートフォンを探しているのなら、GALAXY S4は、極めて競争力が高いハードウェアと、野心的なソフトウェアの強力な組み合わせを持つ、欠点が極めて少ないオールラウンドのスマートフォンだと感じるだろう。
サムスンのGALAXY Sシリーズの最初からある大きなユーザーの不満の1つは、AppleとHTCの高級なライバル機種と比べて、プラスチックを使った作りが安っぽく、デザインが壊れやすそうだということだ。
今回もサムスンはプラスチックを使い、アルミニウムやガラスのような大げさな素材を本当に気にするのは、一部の熱狂的なAndroidファンだけだと主張している。ただし、同社はGALAXY S4により「洗練された」感触を与える努力をしている。
実際に、Galaxy S IIIとS4を横に並べて比べると、ホームボタンが四角くなっており、メタリックな縁がアクセントになっている。GALAXY S4の5インチ画面の方が高く、ディスプレイを囲むベゼルは細い。音量ボタンと電源・ロックボタンはメタリックな外見のポリカーボネート製で、それぞれ斜めになった側面と平たい上側面に配置されている。詳しく見ると、これらのボタンの周囲にある隙間も小さくなっていることがわかる。
GALAXY S4のメタリックな骨組みも作り替えられて、Galaxy S IIIよりも角度が小さく、カーブも小さくなっている。実際、サムスンはGalaxy S IIIは自然に着想を得たと言っているが、GALAXY S4のフラットな側面は、iPhone 5かHTC Oneに着想を得たものに見える。
高さ136.6mm(5.4インチ)、幅68.9mm(2.7インチ)、厚さ7.9mm(0.3インチ)のGALAXY S4は、実際S IIIよりも0.7ミリ薄く、重さも130g(4.6オンス)で、3g軽い。それでもGalaxy S IIIとS4はかなり外見が似ており、近くでよく見なければ違いが分からないかもしれない。もし分からなければ、S4を裏返してみるといいだろう。ブラックミストモデルの場合には小さな黒と銀のダイヤモンドのデザインになっており、ホワイトフロストモデルの場合は同様の針穴が並んだようなデザインになっている。GALAXY S IIIのつや消しプラスチックの背面パネルと比べると、S4の背面には光沢があり、鏡に使えるほどだ。
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