グーグルと距離を置こうとするサムスン--「GALAXY S IV」での自社アプリ強調路線を考える

Roger Cheng (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年03月27日 07時30分

 サムスン電子による「GALAXY S IV」の演劇仕立ての発表会は、いずれ起きる同社とGoogleおよび「Android」との決別に向けたリハーサルにすぎなかった。

 1時間の上演の間(それは実際には製品発表というよりも、過剰なブロードウェイショーだった)、サムスン幹部陣も役者たちもGoogleとAndroidについて一度も言及しなかった。

 同イベントの終了後、舞台の両側に設置された大型スクリーンにスペックが表示されるまで、参加者たちは、GALAXY S IVに「Android 4.2.2」(「Jelly Bean」としても知られる同OSの最新バージョン)が搭載されるということを知らされなかった。

 一方でサムスンは、GALAXY S IVに搭載される多数のサービスについて話すことにイベントの大半を費やした。それらのサービスの多くには、名称の前に「S」という文字が付与されているため(「S-Translator」「S-Drive」など)、サムスンのものであることは一目瞭然だ。翻訳機能やナビゲーション機能など、それらの機能の一部は既にAndroidに内蔵されているが、サムスンはGALAXY S IVにより密接に統合された、上質な体験を提供すると主張している。

 これらはすべて、GoogleとAndroidから距離を置こうとするサムスンのそれほど遠回しでない試みだ。サムスンが実際にAndroidを捨てることはないかもしれないが、同社は自らの社名と「GALAXY」ブランドがスポットライトを浴びるようにするための下準備を進めている。Androidは依然としてサムスンの大多数のデバイスの根幹をなすOSであるにもかかわらず、同社は事実上、Androidの名前を捨て去ろうとしている。

 Raymond JamesのアナリストであるTavis McCourt氏は、「われわれにとって、GALAXY S IVの最も興味深い側面は、大半のAndroidベンダーが使用するGoogleブランドのサービスを利用する代わりに、無数のサムスン製ソフトウェアおよびサービスが組み込まれていることだ」と述べる。「サムスンブランドのアプリストアがライバルに大きな後れを取るはずがあるだろうか?」(McCourt氏)

 今回の動きは、ワイヤレス業界において最も強力な2つの企業、すなわち世界最大の携帯端末メーカーであるサムスンと、世界で最も人気の高いモバイルOSの提供元であるGoogleとの関係が悪化していると多くの人が考えている中での出来事だった。

 両社は公の場ではお互いを支援し、敬っているとするコメントを出してはいるが、その関係に亀裂が生じていることを示す兆候がいくつか現れている。The Wall Street Journalによると、先頃、Androidの責任者を退いたAndy Rubin氏は非公式にサムスンのことを拡大する脅威と呼んだという。GoogleはさまざまなAndroidベンダーを相手にするとき、中立者としての立場を固持してきた。

 GALAXY S IVの発表は、両社の結束が緩みつつあることをさらに際立たせた。さらに、サムスン自身が認めているように、同社の意図は、GALAXY S IVを対象とするサムスンの広範なサービススイートに注目を集めることだった。

ニューヨークのラジオ・シティ・ミュージック・ホールで開催された「GALAXY S IV」の発表イベント。
ニューヨークのラジオ・シティ・ミュージック・ホールで開催された「GALAXY S IV」の発表イベント。
提供:Sarah Tew/CNET

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