「われわれはGoogleを、ユーザーの3つめの脳半球にしたい」と、Google Glassの顔というべき存在で、Googleの共同設立者であるSergey Brin氏は2010年に語っている。それこそ、一部の人々がGoogle Glassについて心配していることだ。ユーザーの3つめの脳半球というのは、Googleのクラウドの中に固定されていて、Google Glassのレンズや、ほかのGoogleのアクセスポイントを通して、ユーザーとほかの人とのやり取りをすべて記録する、ユーザーのデジタルな脳半球のことだと考えることができる。ただしGoogleは、3つめの脳半球というのは、「ユーザーの意図を正確に把握し、ユーザーのニーズにぴったり一致するものを返す」未来の検索エンジンを指すのだと主張するだろう。その解釈はどうであれ、Google Glassは、ユーザーのデジタルな魂にとって非常に役に立つ存在になるという、Googleの目標への入り口である。
「Digital Vertigo」の著者のAndrew Keen氏は、「Google Glassは、プライバシーとのデジタル戦争における新たな最前線になったが、Googleは、Google Glassや同社の自動運転車テクノロジが、監視ツールとして使われる可能性があることについて、特に慎重な姿勢は見せていない」と述べている。
「わたしとあなたがレストランにいるとしよう。そのときに、Google Glassを装着した別の人が、われわれのすることをすべて録画しているかもしれない。そしてそのデータがどこに送られて、誰がそのデータを収集しているのか、われわれにはまったく分からない。基本的には、人々は見張られること、そして自分たちのデータをコントロールできないことを不快に感じる」(Keen氏)
Google Glassが持つデータ収集能力は新しいものではない。スマートフォンがあれば誰でも、レストランで写真を撮ったり、動画を撮ったりして、そのデータを共有することが可能だ。しかしGoogle Glassを使えば、そうしたことを、あまり目立たずにこっそりと行えるようになる可能性がある。
Google Glassへの反発に対して、Googleがこれまでにとってきた対応は、市場が新しい標準を規定するだろうと述べることだ。Googleの広報担当者は、「Google Glassはまだ日が浅いので、携帯電話のようなほかの新しいテクノロジと同様に、行動や社会規範が時間とともに進歩していくことを期待している」と語っている。
Keen氏は次のように言及している。「Googleは、Google Glassが議論の的となることを承知している。同社は、テクノロジを押し進める上で、プライバシーのような問題への対応をしないで済ませようとしている。同社は透明性を高めることもできるが、それはすべて、データをかき集めて、有力なビッグデータ企業になるという同社の戦略の一部である」
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