「Google Glass」が社会にもたらすもの--メリット、懸念、反発 - (page 3)

Dan Farber (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年03月29日 07時30分

 どこまで進めてもいいのかを把握することが、Googleにとっては困難だということも時にはある。2週間前、Googleは、「Street View」プロジェクトで行った未許可のデータ収集をめぐる、長期にわたる係争を決着させるため、和解に合意した。そして同社は、検索結果データと各国のプライバシー保護法の折り合いをつける方法をめぐって、欧州各国の規制当局と衝突している。

すべてはアプリ次第

 Google Glassは初期段階にあるが、非常に多くの人々がそのデバイスの派生製品を身につけている様子を想像するのは難しくない。Vuzixのようないくつかの企業は、Google Glassのライバルとなるウェアラブルデバイスを開発中だ。Appleは、「iPhone」を補完する「iWatch」を開発中だといううわさがある。ABI Researchは、ウェアラブルデバイス市場の年間出荷台数は、2018年までに4億8500万台の規模まで成長すると予測している。

 ウェアラブルコンピューティングの先駆者であるSteve Mann氏は2012年に、The New York Timesに対して、「『Apple Glass』や『Google Glass』『RIM Glass』が登場するだろう。こうした企業のすべてがメガネ型デバイスの開発を進めている。あらゆる会社がメガネ型デバイスを作るようになるだろう。そして、スマートフォン戦争ではなく、メガネ戦争も起こるだろう」と語っている。

 電話や携帯電話を最初に採用したのはビジネスユーザーだった。1000ドル以上するGoogle Glassは、金持ちのハイテク好きや、投資に対する明らかな見返りが計算できる企業が導入するだろう。例えば、ウェアラブルで、音声で操作できるメガネ型コンピュータを使えば、小売業者は、情報のスキャンや検索、コンピュータシステムへの指示を効率的に行えるようになる。

 しかし、5年のうちに、Google Glassとそのライバル製品は、価格が100ドル以下になるか、携帯電話の契約や直販サービスへの加入などにより無料で提供されるようになる可能性が高い。デバイスはさらに小型化すると同時に性能が向上し、ファッショナブルなメガネと完全に一体化する。携帯電話と同じように、導入の動機として重要になるのはアプリだ。

 「iOS」や「Android」を搭載したGoogle Glassやほかのウェアラブルデバイスは、現在利用可能な100万件以上のアプリの恩恵を受けることになる。Google Glassでは、ニュースや電子メール、ツイート、そのほかのテキストなどを読み込み、ユーザーのために読み上げてくれる。さらに、デバイスは口述筆記の機能を持ち、データの共有や保存もできる。Google Glassがあれば、何かほかのデバイスを見るために視線を落とさなくても、ジョギングやサイクリングをしている際のバイオメトリックデータなど、ほとんどあらゆる種類のデータを表示することができる。

アイアンマンことトニー・スターク、「スター・トレック」のジョーディ・ラフォージ、GoogleのSergey Brin氏
アイアンマンことトニー・スターク、「スター・トレック」のジョーディ・ラフォージ、GoogleのSergey Brin氏
提供:Disney, Paramount, CNET

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